レジオネラ菌(レジオネラきん)は、細菌の一種であり、レジオネラ属に分類されています。この菌は自然界に広く存在し、水や土壌、植物、動物の腸内などに生息しています。一般的には環境中で生育し、ヒトに感染することは稀ですが、適切な条件下で増殖すると、人々に感染症を引き起こす可能性があります。

レジオネラ菌の病原性種であるレジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)は、人間の肺炎を主な症状とするレジオネラ症を引き起こすことがあります。この菌は特に温暖な水域、例えば温泉や浴場、冷却塔、加湿器、シャワーヘッドなどの水中に繁殖しやすく、感染源となり得ます。感染経路は、これらの感染源から空気中に浮遊する微小な飛沫を吸い込むことによって起こります。レジオネラ症は、一般的には肺炎様の症状を引き起こし、高熱、咳、呼吸困難などが見られます。

レジオネラ菌は、好気性のグラム陰性桿菌であり、特徴的な形状としては、直径が約0.5〜0.8μmで、長さが約2-20μmのバシラス(桿菌)型をしています。また、この菌の表面には鞭毛が存在し、運動能力を持っています。レジオネラ菌は、一般的な細菌よりも環境条件に対して耐性があるため、特に水中での生存に適しています。

レジオネラ菌の感染は、感染源となる水の管理や衛生対策の徹底が重要です。感染リスクを軽減するためには、温水の循環を適切に管理し、水道設備や冷却塔などの定期的な清掃や消毒を行う必要があります。また、特に高リスクの施設では、適切な検査や対策を行い、感染の予防に取り組むことが重要です。

レジオネラ菌に関する参考文献: 1. 日本感染症学会:https://www.kansensho.or.jp/modules/disease/index.php?content_id=26 2. 厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/haisenkanri/index_00003.html 3. National Institutes of Health (米国国立衛生研究所):https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4113153/ 4. World Health Organization (世界保健機関):https://www.who.int/water_sanitation_health/emerging/legionella/en/ 5. Centers for Disease Control and Prevention (米国疾病管理予防センター):https://www.cdc.gov/legionella/index-j.html

投稿者 wlbhiro

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