NHKマイルカップは、日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場の芝コースで毎年5月に開催するGⅠ競走です。1965年に創設された「NHK杯」(芝1800m)を前身とし、1996年に現在の芝1600mへと距離変更およびグレード制の導入に伴い「NHKマイルカップ」としてスタートしました。3歳馬(牡馬・牝馬)だけが出走可能であることから、クラシック路線からの距離適性やスピード能力を示す重要な一戦として位置づけられています。
本競走は東京競馬場芝1600mの直線半ばからスタートし、うねりのある芝コースを1周する形で行われます。直線は約525mと比較的長いため、瞬発力だけでなく持続力やコース取りの巧拙が勝敗を大きく左右します。春のマイル王決定戦として、古馬との対戦を待つトップホースもここでその素質を証明し、ダービーや安田記念など今後のGⅠ戦線へのステップとするケースが多く見られます。
過去の優勝馬には、サクラバクシンオー、セイウンスカイ、アドマイヤムーン、ダイワメジャー、ロジック、グランアレグリア、ラウダシオンなど、マイル戦をリードした名馬が名を連ねています。また、牝馬では2007年のセイウンスカイ、2018年のアエロリット、2020年のグランアレグリアが優勝しており、性別を問わずハイレベルな戦いが展開されるのが特徴です。
レースは国内最高賞金(総額約3億円)の一つであり、優勝賞金は1億円に上ります。そのため、調教師・騎手・馬主はもちろん、ジョッキーが手綱を取るための騎乗依頼争奪戦もヒートアップします。NHKのキー局である総合テレビやBS1で生中継されるほか、インターネット配信やスポーツ新聞、専門誌などの注目度も非常に高いです。
気象条件や馬場状態もレース結果を左右する大きな要素です。春先の東京競馬場は雨による湿り気がコースコンディションに変化をもたらすことが多く、重馬場や不良馬場でのスピード比較が難しい点も戦略の一つとなります。近年は高速馬場になることが多く、前半のペースが速くなる場合でもスタミナに優れた馬が突き抜ける傾向が強まっています。
NHKマイルカップは、出走馬たちの今後を占う重要な指標であると同時に、ファンにとっても大型連休中の注目イベントとして高い人気を誇ります。勝利馬は安田記念やスプリンターズステークスなど秋のGⅠ戦線へと駒を進め、さらなる活躍を期待されることが多いのが特徴です。
【主な特徴(一覧)】 ・競走格付:GⅠ(国際格付け・国内最高位) ・距離・コース:芝1600m(東京競馬場、外回り) ・出走資格:3歳牡馬・牝馬(馬齢は国際基準) ・出走頭数:18頭(フルゲート) ・賞金総額:3億200万円、1着賞金1億円 ・開催時期:毎年5月中旬、東京競馬場の春開催期間 ・放送・配信:NHK総合テレビ、NHK BS1、JRA公式YouTube、各種競馬情報サイト
【参考文献・参考サイト】 1. 日本中央競馬会(JRA)公式サイト「NHKマイルカップ」 https://jra.jp/fun/race/score/ 2. Wikipedia「NHKマイルカップ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/NHKマイルカップ 3. netkeiba.com「レース特集:NHKマイルカップ」 https://race.netkeiba.com/?pid=race&id=c201901020411 4. 日刊スポーツ「NHKマイルカップ特集」 https://www.nikkansports.com/keiba/race/2021/nhkmilecup/ 5. 競馬ブック「NHKマイルカップ展望」 https://www.keibabook.co.jp/contents/race/nhk_milecup/ 6. NHKオンライン「NHKマイルカップ中継情報」 https://www.nhk.or.jp/sports/events/horse-racing/