ラグビーとは、イギリス発祥のコンタクトスポーツで、楕円(だえん)形のボールを相手ゴールラインの奥に持ち込んで得点を競う球技です。フィールドは縦約100メートル、横約70メートルの長方形で、両端にはH字(エイチじ)型のゴールポストが立ち並びます。プレー中は選手同士が真正面から激しくぶつかり合い、ボールを保持したままタックルを受けてもパスやオフロードパスで攻撃を継続できるのが特徴です。以下、ラグビーの概要や歴史、基本ルール、日本における発展などについて詳しく述べます。
【歴史と発展】 ラグビーの起源は1823年にイングランドのラグビー校(Rugby School)で、フットボール(当時のサッカーに近い球技)をプレーしていた学生ウィリアム・ウェッブ・エリスが手でボールを持ち運んだエピソードにさかのぼると伝えられています。しかし公式にルールが整備されたのは1871年、ロンドンに「ラグビーフットボールユニオン(RFU)」が設立されてからです。その後、ラグビーは世界各地に広がり、1900年のパリ五輪では正式種目のひとつとなりました。1987年には初のラグビーワールドカップが開催され、日本は2019年に初めて開催国の一つとして世界中の注目を集めました。
【基本ルール】 ・チームは15人制(ラグビーユニオン)と13人制(ラグビーリーグ)がありますが、国際的には15人制が主流です。 ・試合時間は前後半各40分、ハーフタイム10分です。 ・得点方法は「トライ(5点)」「コンバージョンゴール(2点)」「ペナルティゴール/ドロップゴール(各3点)」の三種類があります。 ・ボールは前方へのパスは禁止ですが、キックは前方への移動も許されます。 ・タックルで倒されたら、ボール保持者はすみやかにボールを放し、立ち上がってプレーを継続する「ラック」や「モール」が発生します。 ・相手チームはスクラム(8人ずつ体を組み合わせて押し合う再開方法)やラインアウト(ボールがタッチラインを越えた際の再開)でボールを奪回しようとします。
【日本におけるラグビー】 日本では1899年に同志社大学で最初の試合が行われ、その後早稲田、大阪、慶応などの大学に広がりました。1930年代には日本代表チームが結成され、1932年にはニュージーランド遠征を敢行しています。1995年にプロリーグ「ジャパンラグビートップリーグ」(現「ジャパンラグビーリーグワン」)が発足し、2015年、2019年のラグビーワールドカップ日本大会成功を契機に、競技人口や観客数が飛躍的に増加しました。なかでも日本代表「ブレイブブロッサムズ」は、2015年大会で南アフリカ代表を破るなど番狂わせを演じ、国内外で高い評価を得ました。
【ラグビーの魅力】 – 選手同士の肉体的なぶつかり合い(コンタクトプレー)が醍醐味。 – 多彩な再開方法(スクラム、ラインアウト、ラック、モール)による戦術的な奥深さ。 – 前方パス禁止の制約が生む縦横無尽のキックワークとパスワーク。 – フィールド全体を使ったチームプレーと個人スキルの両立。 – 競技後の「ノーサイド」の精神に代表されるフェアプレー精神。
ラグビーは体格や体力だけでなく、チームワーク、戦術眼、瞬時の判断力を要する総合スポーツです。年齢や性別を問わず楽しめるうえ、グローバルなコミュニティも魅力の一つと言えます。これからも国内外でさらなる発展が期待される競技です。
【ラグビーの主な特徴】 ・楕円形のボールを用いることでバウンドが不規則となり、戦術の幅が広がる ・15人制のユニオンと13人制のリーグなど、複数のフォーマットが存在 ・スクラム、ラインアウト、ラック、モールなど複雑な再開方式が多彩 ・前方パス禁止のルールが生むキック戦術とスペースアタック ・「ノーサイド」の精神に象徴されるフェアプレーとスポーツマンシップ
【参考文献・ウェブサイト】 1. ワールドラグビー公式サイト “World Rugby” https://www.world.rugby/ 2. 日本ラグビーフットボール協会 “Japan Rugby Football Union” https://www.rugby-japan.jp/ 3. ラグビー日本代表公式サイト “JAPAN RUGBY” https://www.rugby-japan.jp/teams/japan 4. ウィキペディア日本語版「ラグビー」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%93%E3%83%BC 5. ジャパンラグビートップリーグ(現ジャパンラグビーリーグワン) https://league-one.jp/ 6. 朝日新聞デジタル「ラグビー特集」 https://www.asahi.com/topics/word/%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%93%E3%83%BC.html