九龍(クーロン、Kowloon)は、香港特別行政区を構成する主要な地域の一つで、香港島の対岸に広がる九龍半島全域を指します。全体として、面積はおよそ47平方キロメートルに及び、人口は約270万人(2023年時点)を超える高密度都市です。旺角(モンコック)、尖沙咀(チムサーチョイ)、油麻地(ヨウマティ)など、商業、観光、文化が混在する多様性豊かなエリアが連なり、香港のもう一つの「顔」を形成しています。

第一に地理的特徴として、九龍半島は南西側にビクトリア・ハーバーを望み、北側と東側は新界(サバービア)に接しています。西部にはランタオ島方面への海路があり、九龍島には「九龍城砦」(かつての低所得者住区)をはじめ、多くの自然公園や小丘が点在。山地と市街地が混在するユニークな地形が魅力です。

歴史的には、英国租借地となった香港島に対し、九龍は1860年の北京条約で追加租借地として英国の統治下に置かれました。第二次世界大戦後には人口流入が急増し、不法建築が密集した「九龍城砦」「九龍寨城」が世界的に有名に。1993年に当該スラム街は一掃され、現在は歴史を伝える公園「九龍寨城公園」として整備されています。

人口構成は中国本土、東南アジア、欧米からの移民や駐在員が多様に混ざり合い、言語も広東語、英語、北京語などが飛び交います。伝統的な中華文化と西洋文化が融合し、寺院・教会・錫枝(シーク)寺院など、宗教施設も数多く見られます。飲食店も典型的な点心店から国際色豊かなレストランまでそろい、食文化の宝庫といえます。

経済面では、小売業、卸売業、物流、金融センターとしての機能が密集。特に尖沙咀や旺角はショッピング街として知られ、夜間は屋台や露店が立ち並ぶナイトマーケットも観光客に人気です。コーズウェイベイや油麻地のラグジュアリーブランド店が集積するエリアもあり、消費規模は香港の中でも最大級です。

交通インフラは地下鉄(MTR)が縦横に張り巡らされ、九龍駅、尖沙咀駅、油麻地駅などが主要ハブ。バスやトラム、フェリーも充実し、香港島や新界、ランタオ島へのアクセスも良好です。さらに、高速道路網や市街地トンネルが整備され、自動車・トラック輸送の利便性も高い地域です。

観光スポットとしては、ビクトリア・ハーバー沿いの「プロムナード(二階建てバス風のシンフォニー・オブ・ライツ鑑賞スポット)」「尖沙咀天星碼頭」「1881ヘリテージ」「廟街(ミウガイ)夜市」「旺角花園街のスニーカー街」などが有名です。また、尖沙咀の香港文化中心や九龍公園、南蓮園池など、都市の喧騒を忘れさせる緑地も点在します。

まとめると、九龍は香港の成長を支え続けた歴史と、現代的商業・文化が融合するエリアです。高密度でありながら多様性に富み、訪れるたびに新しい発見をもたらしてくれる魅力あふれる都市空間といえるでしょう。

<九龍の主な特徴(5項目以上)> 1. 都市密度の高さ:第一級の人口集中地区で、商業と住宅が共存 2. 交通ハブ機能:MTR・バス・フェリー・道路網が発達 3. 歴史的遺産:九龍寨城公園や1881ヘリテージなど、英国租借時代の史跡 4. 多文化共生:広東語、英語、北京語などが飛び交い、宗教施設も多様 5. ショッピング&ナイトライフ:尖沙咀、旺角のショッピング街や廟街夜市 6. 観光名所:ビクトリア・ハーバーの夜景、香港文化中心、南蓮園池 7. 自然との共生:九龍公園や小丘、緑地が市街地の中に点在

<参考文献・サイト(日本語)> 1. 『九龍』Wikipedia 日本語版 https://ja.wikipedia.org/wiki/九龍 2. 香港政府観光局「九龍(Kowloon)」 https://www.discoverhongkong.com/jp/regions/experience/kowloon.html 3. ホンコンポスト「九龍エリアガイド」 https://hongkong-post.com/areas/kowloon 4. トリップアドバイザー「尖沙咀 (九龍) の観光名所」 https://www.tripadvisor.jp/Attractions-g294217-Activities-Kowloon.html 5. 一休.com「香港・九龍 人気エリア紹介」 https://www.ikyu.com/area/hk/kowloon/ 6. 地球の歩き方「香港九龍」 https://www.arukikata.co.jp/city/hongkong/kowloon/

投稿者 wlbhiro

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