吉本興業株式会社(よしもとこうぎょう)は、大阪を拠点にお笑い芸人やタレントのマネジメント、劇場運営、コンテンツ制作、イベント企画などを手がける総合エンタテインメント企業です。1912年(大正元年)に創業し、紙芝居と手品から始まった芸能事業は、漫才や落語を中心とした舞台興行へと発展。現在ではテレビ・ラジオ出演をはじめ、映画や配信コンテンツの制作、海外展開まで幅広く事業を展開しています。

創業当初、吉本興業は大阪・難波の路上で紙芝居を上演しながら観客を集めるところからスタートしました。その後、演芸専用劇場「なんばグランド花月(NGK)」をはじめ全国に複数の劇場を開設。若手からベテランまで多彩な芸人を育成し、日本のコメディ文化をけん引してきました。戦後のテレビ普及期には、『吉本新喜劇』をはじめとする看板番組を制作し、お笑いを国民的娯楽に定着させました。

1990年代以降は、漫才・コントをベースにした東京進出を強化。吉本興業東京本社を設立し、東京吉本を起点に全国ネットのテレビ番組制作や大規模ライブイベントを展開しました。2000年代にはインターネット配信やSNSを活用した新たなコンテンツ発信にも着手。若手芸人が自ら動画を投稿し、全国から視聴者を獲得する仕組みをつくるなど、デジタルシフトを進めました。

近年は海外市場にも積極的に進出し、アジア各国や北米、欧州のフェスティバルに出演。現地芸人とのコラボレーションライブを開催し、「日本のお笑い」を世界に向けて発信しています。また、グループ会社を通じて映画・ドラマの制作、音楽レーベル運営、飲食店経営、スポーツマネジメントなど多角的な事業を展開し、エンタテインメントのプラットフォーム企業としての地位を確立しています。

一方で、所属タレントの不祥事や労務問題、芸人の育成・労働環境といった課題への対応にも取り組み、ガバナンス強化とコンプライアンス遵守を重視する体制整備を進めています。社会貢献活動として、被災地支援や地域振興、教育プログラムへの協力も行い、エンタテインメントを通じた地域活性化にも意欲的です。

今後はAIやVR/ARなど最新テクノロジーを活用した新世代エンタテインメントの開発、海外戦略の深化、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の推進などに重点を置きつつ、創業以来の「笑いを通じて人々に元気を届ける」という理念を核に、国内外での事業拡大を図ることが期待されています。

─── 特徴(フィーチャー) ─── 1.創業1912年:大阪・難波の紙芝居からスタートした歴史深い企業 2.劇場運営:なんばグランド花月(NGK)をはじめ全国複数の常設劇場を保有 3.タレントマネジメント:お笑い芸人、俳優、声優、文化人など約3,500名を所属 4.多角化事業:映像制作、音楽レーベル、飲食・物販店舗、スポーツマネジメントなど 5.デジタルシフト:自社配信プラットフォーム「YNN」やYouTubeチャンネルで配信 6.海外進出:アジア、北米、欧州でのライブツアーやコラボレーションを実施 7.社会貢献:被災地支援、地域活性化、教育プログラムなどCSR活動を推進

─── 参考文献・URL ─── 1.吉本興業株式会社 公式サイト https://www.yoshimoto.co.jp/ 2.Wikipedia「吉本興業」 https://ja.wikipedia.org/wiki/吉本興業 3.なんばグランド花月 公式ページ https://www.yoshimoto.co.jp/ngk/ 4.吉本興業 年次報告書・IR情報 https://www.yoshimoto.co.jp/ir/ 5.日経新聞「吉本興業、デジタル戦略強化」 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO…(会員限定記事の場合あり) 6.朝日新聞デジタル「吉本芸人の育成と労務問題」 https://www.asahi.com/articles/DA3S1…(会員限定記事の場合あり)

投稿者 wlbhiro

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