朝乃山 英樹(あさのやま ひでき、本名:上野 英樹〈うえの ひでき〉、1994年5月5日生まれ、大分県中津市出身)は、高砂部屋所属の大相撲力士である。身長177センチ、体重177キログラム(2023年時点)。幕下付出しで2016年3月場所に初土俵を踏み、同年11月には新十両、翌2017年1月には新入幕を果たした。その後急速に結果を残し、2019年5月場所で大関に昇進。最高位は大関であり、幕内優勝2回(2019年3月、2023年1月)、殊勲賞1回、技能賞1回を獲得している。

取組ぶりは、左四つ(左手を相手のまわしの内側に差し込む)を基本とし、肘を低く保って相手を引きつける柔らかい立ち合いが特徴だ。得意手は「寄り倒し」「寄り切り」「上手投げ」であり、相手の体勢を崩してから仕留める技巧派的な相撲を得意とする。特に高いバランス感覚と腰の強さを生かし、逆転の一手を繰り出す場面も少なくない。

2019年3月場所では、新入幕からわずか13場所目という素早いスピードで幕内最高優勝(初優勝)を果たし、その勢いのまま2場所後には大関に昇進。若手力士の中でも将来の横綱候補として大きな期待を寄せられた。しかし、コロナ禍における外出自粛要請違反と、後に薬物検査で陽性反応が出たことで2021年初場所後に1年間の出場停止処分を受け、番付は幕下以下に降格した。角界復帰後は三段目、幕下、大関復帰へと着実に番付を駆け上がり、2022年11月場所には約1年半ぶりに幕内へ返り咲いた。

復帰後の相撲からは「不屈の精神」を感じさせ、連勝を重ねることで改めて高い実力を証明している。栄光の影にはけがや処分を乗り越えた苦難の時期があり、その経験が精神面の成長にもつながっていると言われる。ファンからは柔和な笑顔と、土俵上での真摯な姿勢が人気を呼び、「闘魂漢(おとこ)」として支持を集めている。

今後はさらなる安定力と多彩な技を磨き、横綱の地位を目指すことが期待される。若手時代のスピード昇進、大関昇進後の安定した成績、そして一度はどん底を味わった後の見事な復活劇は、大相撲界における“起死回生の物語”ともいえる。

特徴(とくちょう) 1.左四つの巧みな組み手:左手を相手のまわし内側に差し込み、強固な体勢を作る。 2.柔らかい立ち合い:肘を低く保ち、相手にぐっと寄り切ることで主導権を握る。 3.多彩な決まり手:寄り切り、寄り倒し、上手投げを中心に、相手の体勢を崩す技を得意とする。 4.卓越したバランス感覚:体勢を崩されかけても粘り強く踏ん張り、逆転の一手を繰り出す。 5.精神的タフネス:処分や降格を乗り越え、再起を果たした不屈の闘志を持つ。 6.土俵外での礼儀正しさ:ファンとのコミュニケーションを大切にし、丁寧な対応で好感度が高い。

参考文献 1.日本相撲協会公式サイト「力士プロフィール:朝乃山 英樹」 https://www.sumo.or.jp/ResultRikishiData/profile/3478/ 2.Wikipedia「朝乃山英樹」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E4%B9%83%E5%B1%B1%E8%8B%B1%E6%A8%B9 3.NHKスポーツ「大相撲 朝乃山 英樹」 https://www3.nhk.or.jp/sports/special/sumo/schedule/rikishi/asnoyama/ 4.スポニチ Sponichi Annex「朝乃山復活劇」 https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2022/11/30/kiji/20221130s00005000456000c.html 5.日刊スポーツ「朝乃山、薬物問題からの再起」 https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/202201270000123.html 6.大分合同新聞「地元中津が誇る朝乃山」 https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2023/01/25/JD0098525089.html

投稿者 wlbhiro

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