日産スタジアムは、正式名称を「横浜国際総合競技場」といい、愛称として「日産スタジアム」の名で広く知られる、日本最大級の収容能力を誇る屋外多目的競技場です。神奈川県横浜市港北区小机町に位置し、1998年(平成10年)に竣工、同年に開場しました。設計は大成建設・松田平田設計共同企業体、施工は大成建設ほかが担当し、総工費は約340億円とされています。

日産スタジアムは陸上競技場としてトラックを備えるとともに、サッカーやラグビーの国際試合、プロスポーツ、音楽コンサート、大規模イベントなど多彩な用途に対応可能な構造をもっています。スタンドは楕円形に配置され、全席がピッチを見渡せるよう勾配や距離が最適化されているほか、ピッチレベルまではかなりの高低差(約37メートル)があり、臨場感の高い観戦環境を提供します。屋根は大部分を覆うことはないものの、ピッチ寄り上段スタンドの一部に設置され、観客に日差しや軽度の雨をしのぐ機能を担っています。

最大収容人数は72,327人(サッカー観客席時)で、これは日本国内のサッカースタジアムとして最多です。ワールドカップ・アジア予選やFIFAワールドカップ2002、ラグビーワールドカップ2019の会場としても利用され、国内外のビッグマッチを数多く展開してきました。さらに、国内陸上競技大会の聖地としても定着しており、毎年「国際千葉マリンマラソン」や「横浜マラソン」などランニングイベントのスタート・ゴール地点になることもあります。

アクセスはJR横浜線「小机駅」から徒歩約10分と非常に良好で、駅からは公園内の遊歩道を通ってスタジアムまで快適に歩けます。周辺には新横浜公園や日産フィールド小机といったスポーツ施設が整備されており、都市近郊ながら緑豊かな環境が広がっています。スタジアム前広場や駐車場も大規模で、イベント開催時にはシャトルバスや誘導員のサポートによりスムーズな来場を実現しています。

内部設備としては大型映像装置(LEDビジョン)や音響システムが充実し、試合のリプレイや選手紹介、演出映像などを高画質で映し出します。また、売店・グッズショップ・飲食ブースは外周を中心に約60店舗が展開され、来場者のニーズに幅広く対応。トイレや喫煙所、授乳室・多目的トイレなどの施設も最新規格で整えられ、ユニバーサルデザインに配慮した構造となっています。

今後は、スポーツの国際化や大型コンサートのさらなる増加を見込み、設備更新や機能拡充が進められる予定です。ICTを活用したセキュリティ強化やスマートフォンアプリによる座席ナビゲーション、キャッシュレス決済の完全導入など、快適性と利便性の向上策も次々に導入されています。これにより、一過性のイベント会場としてだけでなく、地域住民の日常的なスポーツ・レクリエーションの拠点としてもますます重要な役割を担う施設となるでしょう。

【主な特徴(特長)】 1. 最大収容人数72,327人の国内最多規模のスタジアム構造 2. 陸上トラック併設による多目的利用(サッカー、陸上、ラグビー、コンサート等) 3. JR横浜線「小机駅」から徒歩約10分の優れた交通アクセス 4. 大型LEDビジョンや高性能音響システムを備えた観戦演出環境 5. ユニバーサルデザイン対応の多機能トイレ・授乳室・車椅子席完備 6. 周辺公園との一体的整備による緑豊かなレクリエーション空間 7. ICT導入によるスマートチケット・キャッシュレス決済対応

【参考文献・参考サイト】 1. 「日産スタジアム」(ウィキペディア日本語版) https://ja.wikipedia.org/wiki/日産スタジアム 2. 横浜市|日産スタジアムの概要 https://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/park/nissanstadium.html 3. JFA|試合・開催情報(サッカー日本代表戦など) https://www.jfa.jp/match/ 4. 横浜マラソン公式サイト https://www.yokohamamarathon.jp/ 5. StadiumDB|Nissan Stadium – Yokohama http://stadiumdb.com/stadiums/jpn/yokohama_stadium 6. ラグビーワールドカップ2019公式サイト(アーカイブ) https://2019.www.rugbyworldcup.com/venue/43

投稿者 wlbhiro

コメントを残す