宮崎地震とは、九州南部に位置する宮崎県およびその沖合(日向灘)を震源域とする地震現象を指します。日本列島は太平洋プレートやフィリピン海プレートなど複数のプレートが複雑に沈み込む領域にあり、宮崎県沿岸は特にフィリピン海プレートが北西へ沈み込む「日向灘沈み込み帯」にあたります。このため、海溝型の大規模地震のみならず、活断層の動きによる内陸直下型地震も頻発します。
地震の規模はマグニチュード(M)4~5クラスの小規模地震が年間を通して数十回観測される一方で、M6以上の中規模・大規模地震も周期的に発生します。歴史的には1913年にM6.2の「飫肥沖地震」、1968年にはM7.5級の「日向灘地震」などが大きな被害をもたらしました。特に海底で発生したものは津波を伴うこともあり、沿岸部の集落や漁港施設に甚大な被害を与えています。
また、県内陸部では活断層帯に沿った直下型地震が発生しやすく、2010年には「宮崎県北部地震」(M5.5)が山間部で発生し、住宅被害や土砂崩れなどを引き起こしました。地震活動は地質調査や観測網の充実によりかなり把握されつつありますが、活断層の全容や長期的な発生周期には未解明の部分も残されています。
宮崎県では過去の被害を踏まえ、防災対策として耐震診断や防災マップの整備、津波避難タワーの建設、住民への避難訓練を定期的に実施しており、地震に強いまちづくりに努めています。ただし、想定外の大規模地震や津波襲来に備え、個人レベルでの非常持出品の準備や避難経路の確認など継続的な対策が求められます。
以下に、宮崎地震のおもな特徴を箇条書きで示します。
特徴 1. 震源域:宮崎県沿岸(特に日向灘)および県内陸部の活断層帯 2. 発生メカニズム:フィリピン海プレートの沈み込みによる海溝型地震と活断層による内陸直下型地震 3. マグニチュード:M4~5クラスが多いが、M6~7クラスの地震も周期的に発生 4. 震源の深さ:浅いものは10km程度、やや深いものは30~70km程度 5. 被害想定:津波、建物倒壊、土砂災害、ライフライン遮断など多岐にわたる 6. 防災対策:耐震補強、津波避難タワーの整備、防災訓練、避難マップ配布
参考文献・資料 1. 気象庁「宮崎県周辺の地震活動」 https://www.jma.go.jp/jma/index.html?area_code=450000 2. 宮崎県 防災・減災情報ポータルサイト「地震・津波対策」 https://www.pref.miyazaki.lg.jp/soshiki/saigai/chisui/index.html 3. Wikipedia「宮崎県北部地震」 https://ja.wikipedia.org/wiki/宮崎県北部地震 4. 国土地理院 活断層データベース https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/activefault.html 5. NIED(防災科学技術研究所)「Hi-net 地震観測網」 http://www.hinet.bosai.go.jp/ 6. USGS(米国地質調査所)「Earthquake Catalog」 https://earthquake.usgs.gov/earthquakes/search/
