だるま(達磨)とは、禅宗の開祖とされるインド僧・達磨大師(ボーディダルマ)をかたどった日本の縁起物であり、主に紙製や木製の張子(はりこ)で作られる円形(胴体が丸い)の人形です。両腕や両脚を持たず、丸い胴体で自立する姿が特徴的で、「七転び八起き」を象徴しています。主に赤色の塗装が施され、瞳はわざと描かれておらず、購入者が願い事や目標を心に定めてから、まず右目(または左目)のいずれか一方だけを描き入れます。願いが成就した際にもう一方の目を入れて完成させるという習慣があり、その過程でだるまは「祈願成就」「商売繁盛」「家内安全」「学業成就」「必勝祈願」など、さまざまな願掛けの象徴として広く親しまれています。

だるまの起源は、中国・南北朝時代(5世紀頃)にさかのぼると伝えられ、達磨大師が九年間も面壁(壁に向かって坐禅)したという故事に由来します。日本には室町時代には伝来し、江戸時代後期になると、張子の技術が発展したことで庶民の手に届く縁起物となりました。現在では群馬県高崎市や愛知県小豆郡など、各地の張子職人が伝統技術を継承し、地域ごとに異なる色彩や表情のだるまを制作しています。

だるまは形状上、安定した丸い底面ゆえに簡単には倒れず、転んでも必ず起き上がることから「七転び八起き」「不屈の精神」の象徴ともされています。また、両目を塗り分ける儀式的要素が強く、願い事を心に秘めながら一筆を入れる瞬間には緊張と希望が込められます。この儀式性が縁起物としての魅力を高めるとともに、普段の生活やビジネスシーンでも達成感を得られるモチベーションツールとしての側面も持ち合わせています。

年末年始には、寺社を中心に「だるま市」や「だるま供養」といったイベントが開催され、旧年中に使い終えただるまを焚き上げ、また新しいだるまを求める参拝客で賑わいます。高崎だるま市(群馬県高崎市)や深大寺だるま市(東京都調布市)、成田山新勝寺のだるま市(千葉県成田市)などが有名です。これらの市ではさまざまな大きさや色のだるまが並び、訪れる人々は一年の願いを込めてだるまを選び、目入れを行います。

近年では伝統的な赤以外にも金色、黒色、白色、青色、ピンク色など、多彩なカラーバリエーションが登場し、結婚祝いや出産祝い、病気平癒など目的別に選べるようになりました。また、キャラクターをモチーフにしたコラボレーションだるまや、オーダーメイドで個別のメッセージを入れられるものもあり、プレゼントやインテリアとしての需要も高まっています。

伝統的な工芸品としてだけでなく、現代アートや観光資源としても注目されているだるまは、日本の縁起物文化を象徴する存在です。人々の願いを一身に受け止め、「諦めない心」「目標達成への努力」を見守り続けるだるまは、今後も国内外で愛され続けることでしょう。

<だるまの主な特徴(5項目以上)> 1. 胴体が丸く自立する形状:「七転び八起き」の精神を象徴 2. 両腕・両脚を持たないデザイン:簡素ながらも力強い造形美 3. 瞳が未塗装:願掛けで「目入れ」をする伝統的儀式 4. 赤を基調とした彩色:魔除けや厄除けの意味合い 5. 材質は張子(紙や木)の軽量構造:持ち運びやすく廃棄・供養も容易 6. 年末年始の「だるま市」での授与:地域の伝統行事として定着 7. カラーバリエーションやキャラコラボ:現代的需要への対応

<参考文献・サイト(日本語)> 1. 「達磨」Wikipedia(日本語版) https://ja.wikipedia.org/wiki/達磨 2. 群馬県高崎市観光情報サイト「高崎だるまとだるま市」 https://www.city.takasaki.gunma.jp/kankou/1001771/1001822.html 3. 深大寺(調布市)公式サイト「深大寺 だるま市」 https://www.jindai-ji.jp/event/daruma/ 4. 成田山新勝寺公式サイト「成田山 だるま市」 https://www.naritasan.or.jp/7gatu/daruma/ 5. 一般社団法人日本観光振興協会(JNTO)「日本の縁起物-だるま」 https://www.jnto.go.jp/jpn/culture-tradition/j-tradition/02.html 6. 群馬県公式観光サイト「ぐんまワールドだるま」 https://www.visitgunma.jp/daruma/

投稿者 wlbhiro

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