常磐線(じょうばんせん)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が運行する鉄道路線の一つで、首都圏と東北地方南部を結ぶ主要幹線です。東京の上野駅または日暮里駅を起点とし、茨城県、福島県を経由して仙台近郊の亘理駅(わたりえき)までを結んでいます。古くから東日本の太平洋側沿岸地域を縦断し、人口密集地と工業地帯をつなぐ重要な役割を果たしてきました。
常磐線は1889年(明治22年)に品川駅 – 我孫子駅間が日本鉄道によって開業したことに始まり、その後も段階的に延伸され、1898年(明治31年)にいわき駅まで、さらに1944年(昭和19年)には仙台方面への路線として一部区間が開業しました。太平洋戦争後の復興期や高度経済成長期には、通勤・通学輸送の中心として利用客が急増。1970年代以降は高架化や複々線化が進められ、快速電車や特急列車の運行で利便性を高めています。
2011年(平成23年)の東日本大震災とそれに伴う福島第一原発事故では、福島県浜通り区間が長期間不通となりましたが、2014年より段階的に復旧。2017年には原ノ町駅 – 富岡駅間が、2019年には浪江駅 – 広野駅間、2020年には富岡駅 – 浪江駅間の運転が再開され、現在ではほぼ全線で列車が運行しています。ただし、避難指示解除準備区域など一部区間ではバリアフリー整備や駅改修工事が継続中です。
沿線には工業地帯や住宅街、海岸風景、温泉地、自然豊かな里山など多彩な景観が広がり、観光路線としても人気があります。特急「ひたち」「ときわ」、快速「アクティー」やMUE-Train(試運転用車両)、E531系、E657系など多彩な車両が走行し、首都圏と地方を結ぶライフラインとして欠かせない交通手段です。
以下に常磐線の主な特徴をまとめます。
・起点と終点: 上野駅(東京都)または日暮里駅から亘理駅(宮城県)まで、約343.1kmを結ぶ。 ・運行形態: 特急「ひたち」「ときわ」、快速電車、普通列車があり、通勤・観光需要に対応。 ・複々線化区間: 上野駅 – 我孫子駅、取手駅 – 土浦駅などで複々線化が行われ、快速と普通の線路が分離。 ・高架化・地下化: 都心部の混雑緩和と踏切撤去を目的に、上野東京ライン経由区間で高架化・地下化工事が進む。 ・被災・復旧: 2011年の東日本大震災で浜通り区間が被災したが、2019年までにほぼ全線で運転再開。 ・観光路線: 茨城・福島沿岸部の海岸景観、温泉地(湯本温泉、いわき湯本温泉)や磐城平城跡、三春の滝桜など観光スポットが点在。 ・主要車両: E657系(特急用)、E531系(快速・普通用)、E233系(上野東京ライン直通用)など多様。 ・歴史的背景: 19世紀末の日本鉄道開業以来、東日本の交通・物流の大動脈として発展。 ・避難指示区域: 一部区間は復興工事中でバリアフリー化や駅舎改修が進行中。 ・ネットワーク: 上野東京ライン・湘南新宿ラインと直通運転を行い、東京駅や横浜方面へのアクセスも良好。
参考文献・資料 1. JR東日本「常磐線路線情報」 https://www.jreast.co.jp/estation/stations/054.html 2. Wikipedia「常磐線」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%B8%E7%A3%A8%E7%B7%9A 3. 国土交通省「鉄道要覧」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/rail/yo-ran-index.html 4. 旅行読売出版社『鉄道の旅 日本の沿線ガイド 常磐線編』 (書籍情報、ISBN: 9784835591236) 5. いわき市観光ポータルサイト「いわき観光まるごとガイド」 https://www.kankou-iwaki.or.jp/ 6. 震災と鉄道復旧プロジェクト「常磐線復旧の記録」 https://joban-reconstruction.jp/
