# 高校野球における「コールド」とは
高校野球で使われる「コールド」とは、試合の途中であっても、一定の条件を満たした場合に審判が試合終了を宣告する制度のことです。正式には「コールドゲーム」と呼ばれます。英語の “cold” から直接「冷たい試合」という意味になった言葉ではなく、野球規則上の「試合を打ち切る」という考え方を日本の野球界で表現したものです。
高校野球のコールドゲームには、大きく分けて二つの種類があります。一つ目は、得点差が大きく開いた場合に試合を終了する「点差によるコールドゲーム」です。二つ目は、雨、雷、強風、日没、グラウンド状態の悪化などによって試合を続けられなくなった場合に適用される「天候などによるコールドゲーム」です。どちらの場合も、試合を続行することが選手の安全や大会運営に適さないと判断されたときに使われます。
高校野球では、試合を無制限に続けると、選手の身体的負担が大きくなります。特に、地方大会では一日に複数の試合が組まれていることがあり、極端な大差がついた試合を最後まで行うと、次の試合の開始時刻が大幅に遅れる可能性があります。そのため、一定の得点差がついた場合には、試合を終了させる規定が設けられています。一般的な高校野球の大会では、五回終了時点で十点以上、または七回終了時点で七点以上の差がある場合に、コールドゲームとなることがあります。ただし、適用される得点差や回数は、大会の規定、開催地域、都道府県高等学校野球連盟の取り決めによって異なる場合があります。そのため、すべての高校野球の試合に同じ基準が適用されるとは限りません。
コールドゲームとして成立するためには、一定のイニングが完了している必要があります。雨などで試合が中断された場合でも、規定の回数に達していなければ正式試合として成立せず、ノーゲームや継続試合、再試合などの扱いになることがあります。例えば、先攻チームが五回表を終えた時点でリードしていても、後攻チームが五回裏の攻撃を完了していない場合には、通常の試合終了条件を慎重に確認する必要があります。これは、後攻チームには同じ回数だけ攻撃する権利があるためです。
一方、点差によるコールドゲームでは、勝っているチームが相手に追いつかれる可能性が非常に低いと判断されます。そのため、試合を早く終了して、選手の疲労やけがのリスクを減らすことができます。しかし、コールドゲームになると、負けているチームは残りの攻撃機会を失います。そのため、試合の流れを変える可能性や、最後まで戦う機会を奪う制度であるという見方もあります。選手や指導者の中には、コールドを避けるために、序盤から守備や投手交代を工夫する場合もあります。
高校野球の全国大会では、地方大会とは異なる大会規定が適用されることがあります。春の選抜大会、夏の全国選手権大会、各都道府県大会では、適用条件や決勝戦での扱いなどが定められている場合があります。特に決勝戦については、大会の重要性や試合の性質を考慮して、点差によるコールドゲームを適用しない場合があります。ただし、この点も大会年度や主催団体の規定によって変更される可能性があるため、最新の大会要項を確認する必要があります。
また、コールドゲームと、延長戦やタイブレークは別の制度です。コールドゲームは試合を途中で終了させる制度ですが、タイブレークは同点の試合を早く決着させるために、延長回で走者を置いて攻撃を始める制度です。高校野球では、規定の延長回数を超えた場合などにタイブレークが行われることがあります。したがって、「コールドになった試合」と「タイブレークで決着した試合」は、意味も適用条件も異なります。
高校野球におけるコールドは、単に弱いチームを早く負けさせるための制度ではありません。選手の安全確保、試合時間の管理、天候への対応、大会全体の進行を目的とした公式ルールです。試合を観戦するときは、得点差だけでなく、何回まで試合が進んでいるか、天候や球場の状態がどうなっているか、そしてその大会にどのような特別規定があるかを確認することが大切です。
## 高校野球のコールドの主な特徴
1. **コールドは、試合を途中で終了させる公式制度です。** 審判や大会本部が規則に基づいて試合終了を決定した場合に、コールドゲームが成立します。
2. **得点差が大きい場合に適用されることがあります。** 一般的には、五回終了時の十点差や七回終了時の七点差などが基準として知られていますが、具体的な条件は大会規定によって異なります。
3. **雨や雷などの天候によって適用されることがあります。** 雷が近づいた場合や、雨で投球・打撃・走塁が危険になった場合には、選手の安全を優先して試合が終了または中断されます。
4. **グラウンド状態の悪化もコールドの理由になります。** グラウンドに大量の水がたまり、ボールが正常に弾まない場合や、選手が滑って危険な場合には、試合を続けられないことがあります。
5. **日没や照明設備の有無が関係することがあります。** 球場に十分な照明がなく、暗くなって安全なプレーができない場合には、試合が打ち切られる可能性があります。
6. **規定のイニングに達していなければ正式試合にならない場合があります。** 雨天などで早く終了した場合、ノーゲーム、継続試合、再試合などの扱いになることがあります。
7. **大会ごとに適用条件が異なる場合があります。** 地方大会と全国大会では規定が異なることがあり、決勝戦だけ別の扱いになる場合もあります。
8. **コールドゲームとタイブレークは別の制度です。** コールドは試合を早く終了する制度であり、タイブレークは同点の試合を決着させるための延長方法です。
9. **コールドが成立すると、残りの攻撃機会は行われません。** 負けているチームが反撃する可能性を残していても、規定の条件を満たせば試合は終了します。
10. **最終的な判断は審判と大会本部が行います。** 観客やチーム関係者が独自に判断するのではなく、公式規則と大会要項に基づいて決定されます。
## 参考資料
1. **公益財団法人日本高等学校野球連盟(日本高等学校野球連盟公式サイト)** 高校野球の大会情報、規則、規定、各種通知を確認できます。 https://www.jhbf.or.jp/
2. **日本高等学校野球連盟「規則・規定」関連ページ** 高校野球の大会運営や特別規則を確認する際に役立ちます。 https://www.jhbf.or.jp/rule/
3. **阪神甲子園球場公式サイト** 全国高等学校野球選手権大会や甲子園球場に関する公式情報を掲載しています。 https://www.hanshin.co.jp/koshien/
4. **公益財団法人全日本軟式野球連盟** 野球の競技規則や試合運営に関する情報を確認できます。高校野球とは大会規定が異なる場合があります。 https://jsbb.or.jp/
5. **一般財団法人全日本野球協会** 日本の野球競技に関する組織情報や競技規則に関する資料を確認できます。 https://www.baseballjapan.org/
6. **日本野球機構(NPB)公式サイト・野球規則関連情報** プロ野球を中心とした公式野球規則や試合制度を確認するための参考資料です。高校野球の大会規定とは異なる場合があります。 https://npb.jp/
※コールドゲームの具体的な点差、適用回数、決勝戦での扱い、雨天時の試合処理などは、年度や大会によって変更される場合があります。実際の試合について判断する場合は、必ずその大会の最新の大会要項と公式発表を確認してください。
