# クレームとは

「クレーム」とは、商品、サービス、契約、接客、広告、配送、料金などについて、利用者や取引先が不満を示し、企業や担当者に説明、謝罪、修正、返金、交換、補償などを求める行為を指す言葉です。日本語の日常会話では、英語の「claim」よりも、英語の「complaint」に近い意味で使われることが多いです。ただし、本来の英語の「claim」には、「権利を主張すること」、「損害賠償を請求すること」、「保険金を請求すること」などの意味もあります。そのため、クレームという言葉を使う場合には、単なる意見や問い合わせなのか、正当な苦情なのか、法的な請求なのかを区別することが重要です。

例えば、購入した製品が説明書どおりに動かない場合、顧客が販売店に修理や交換を求めることは、合理的なクレームに該当します。注文した商品と異なる商品が届いた場合や、契約したサービスが提供されなかった場合にも、顧客が事実を伝えて改善を求めることは正当な行為です。一方で、事実と異なる内容を意図的に伝えたり、担当者を脅したり、長時間にわたって何度も同じ要求を繰り返したりする場合には、通常のクレームではなく、過剰な要求やカスタマーハラスメントに当たる可能性があります。

企業にとってクレームは、単なる迷惑行為ではありません。クレームには、商品やサービスの不具合、説明不足、業務手順の問題、従業員教育の不足などを発見するための情報が含まれています。同じ内容のクレームが複数の顧客から寄せられている場合、それは個別の問題ではなく、組織全体の仕組みに問題がある可能性を示しています。そのため、企業はクレームを記録し、原因を分析し、再発防止策を実施する必要があります。

クレームを受けた担当者は、最初に相手の話を遮らずに聞き、何が起きたのかを正確に確認することが大切です。すぐに反論したり、責任を顧客に押し付けたりすると、相手の不満がさらに大きくなる可能性があります。ただし、事実確認が終わっていない段階で、会社の責任や補償内容を断定してはいけません。まずは「ご不快な思いをおかけしたことについておわびいたします」と伝え、その後で、発生日時、場所、商品名、担当者、顧客が求めている対応などを整理します。

クレーム対応では、感情への対応と事実への対応を分けて考えることも重要です。顧客が怒っている場合でも、怒りの感情を落ち着かせることと、実際の不具合を解決することは別の作業です。企業は、謝罪できる点については明確に謝罪し、確認が必要な点については調査の期限を伝え、対応できない要求については理由を説明する必要があります。曖昧な返答や担当者によって異なる説明は、企業への不信感を強めます。

また、クレーム対応の記録は、品質管理や従業員教育にも役立ちます。記録には、顧客の発言を感情的に要約するのではなく、発生した事実、会社が行った説明、合意した対応、今後の確認事項などを具体的に残します。個人情報を扱う場合には、利用目的や保管方法にも注意しなければなりません。

現在では、電話や店頭だけでなく、電子メール、SNS、口コミサイト、チャットなどを通じてクレームが寄せられます。公開された場所での対応では、個人情報や社内情報を不用意に公開しないことが必要です。企業は、公開の場では一般的な謝意と問い合わせ窓口を示し、詳細な確認は個別の連絡手段で行う方法が望ましいです。

つまり、クレームとは、顧客や取引先から寄せられる不満、問題提起、要求、権利主張などを表す言葉です。正当なクレームは、企業が商品やサービスを改善するための重要な情報になります。しかし、暴言、脅迫、差別的発言、長時間拘束、過剰な金銭要求などを無条件に受け入れる必要はありません。企業は、顧客の正当な権利を尊重しながら、従業員の安全と尊厳も守る必要があります。適切なクレーム対応とは、顧客の話を聞き、事実を確認し、可能な解決策を提示し、必要に応じて業務改善へつなげる一連の活動です。

## クレームの主な特徴

1. クレームは、商品やサービスに対する不満、問題提起、改善要求などを含む広い概念です。

2. 日本語の「クレーム」は、英語の「claim」よりも、英語の「complaint」に近い意味で使われることが多いです。

3. 正当なクレームには、故障、契約違反、説明不足、配送ミス、料金間違いなど、具体的な事実が存在する場合があります。

4. クレームの中には、返金、交換、修理、謝罪、説明、再発防止策など、顧客が求める対応が含まれています。

5. クレームは、企業の商品、サービス、接客、業務手順を改善するための重要な情報になります。

6. 同じ内容のクレームが繰り返される場合には、個人の対応だけでなく、組織や業務システムの見直しが必要です。

7. クレーム対応では、相手の感情を受け止めることと、事実関係を確認することの両方が求められます。

8. 事実を確認しないまま、補償や責任を約束すると、後でさらに大きなトラブルになる可能性があります。

9. 暴言、脅迫、差別、過度な要求、長時間の拘束などは、カスタマーハラスメントに該当する可能性があります。

10. クレームの内容、対応経過、最終結果を記録しておくと、再発防止や従業員教育に活用できます。

11. SNSや口コミサイト上のクレームには、個人情報や社内情報を公開しないように注意する必要があります。

12. クレーム対応では、顧客の権利を守るだけでなく、対応する従業員の安全と健康も守る必要があります。

## 基本的なクレーム対応の流れ

1. 顧客の話を遮らずに聞き、何が起きたのかを把握します。

2. 不快な思いをさせたことや、迷惑をかけたことについて、必要な範囲で謝罪します。

3. 発生日時、場所、商品、契約内容、担当者、顧客の希望などを確認します。

4. 会社側の記録や関係部署の情報を確認し、事実関係を整理します。

5. 修理、交換、返金、説明、再対応など、実行可能な解決策を提示します。

6. その場で回答できない場合には、調査内容と回答予定日を明確に伝えます。

7. 対応結果を記録し、同じ問題が再発しないように業務改善を行います。

## 参考資料

1. 消費者庁「消費者政策」 https://www.caa.go.jp/policies/

2. 独立行政法人国民生活センター https://www.kokusen.go.jp/

3. ISO 10002「Quality management — Customer satisfaction — Guidelines for complaints handling in organizations」 https://www.iso.org/standard/71580.html

4. 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

5. e-Gov法令検索「消費者契約法」 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=412AC0000000061

6. e-Gov法令検索「民法」 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

7. 公益社団法人日本通信販売協会 https://www.jadma.or.jp/

8. 一般社団法人日本産業協会「消費生活アドバイザー関連情報」 https://www.nissankyo.or.jp/

投稿者 wlbhiro

コメントを残す