# 機長とは

機長(きちょう)とは、航空機の運航において最終的な責任と指揮権を持つ操縦士のことです。英語では一般的に「Captain」または「Pilot in Command(PIC)」と呼ばれます。旅客機、貨物機、政府専用機、報道機、救難機、ヘリコプターなど、さまざまな航空機に機長が配置されます。機長は、単に航空機を操縦する人ではなく、飛行の安全に関わるすべての事項を総合的に判断する責任者です。

旅客機では、通常、機長と副操縦士が操縦室に乗務します。機長はその中で最も上位の権限を持ち、副操縦士と協力しながら飛行を管理します。実際の操縦操作は、飛行ごとに機長と副操縦士が交代して担当する場合があります。しかし、操縦を担当していない時間であっても、機長は運航全体に対する責任を負っています。副操縦士は機長を補佐し、計器の監視、無線通信、チェックリストの実施、航法計算、運航情報の確認などを行います。

機長の仕事は、離陸してから着陸するまでの操縦だけではありません。出発前には、気象情報、飛行経路、空港の状態、航空機の整備状況、燃料搭載量、乗客数、貨物の重量、運航上の制限などを確認します。そして、安全に飛行できるかどうかを判断します。悪天候、強風、視界不良、航空機の不具合、空港設備の問題などがある場合、出発の延期、経路変更、引き返し、目的地変更、欠航などを決定することがあります。

飛行中には、航空交通管制官と連絡を取り、指示を受けながら航空機を運航します。ただし、管制官の指示を受けた場合でも、機長が安全上不適切だと判断したときは、必要な範囲で指示に従わない、または別の方法を要請することがあります。これは、航空機の安全を最優先にするためです。緊急事態が発生した場合、機長は限られた時間と情報の中で、最も安全な行動を選択しなければなりません。

機長には、高度な操縦技術だけでなく、判断力、危機管理能力、コミュニケーション能力、チームワーク、体調管理能力が求められます。現在の航空運航では、機長一人の技量だけで安全を確保するのではなく、CRM(Crew Resource Management)という考え方が重視されています。CRMとは、操縦士、客室乗務員、航空管制官、整備士、運航管理者など、利用可能な人的資源と情報を有効に活用して安全性を高める考え方です。機長は、必要なときに副操縦士や客室乗務員の意見を聞き、重要な情報を共有し、適切に役割を分担します。

機長になるためには、操縦士として長い訓練と経験を積む必要があります。一般的には、まず事業用操縦士などの資格を取得し、航空会社などで副操縦士として勤務します。その後、飛行時間、知識、技能、判断能力、健康状態、社内審査などの条件を満たし、機長昇格訓練を受けます。訓練には、通常の操縦、異常時の対応、計器飛行、乗員との連携、意思決定、シミュレーター訓練などが含まれます。審査に合格した後も、定期的な技能審査や健康診断を受ける必要があります。

また、機長は航空機内の秩序と安全を維持する立場でもあります。乗客の安全を脅かす行為、危険物の持ち込み、機内での暴力行為、緊急時の避難などに対して、関係法令や会社規則に基づいて対応します。機長の判断は、乗客、乗員、航空機、貨物、周辺地域の安全に大きな影響を与えます。そのため、機長には強い責任感と倫理観が必要です。

要するに、機長は航空機を操縦する専門家であると同時に、飛行に関わる最終意思決定者であり、乗客と乗員の安全を守るリーダーです。機長の役割は、操縦技術、航空知識、法律・規則の理解、冷静な判断、他者との協力によって成り立っています。安全な航空輸送を実現するために、機長は出発前から着陸後まで、常に責任を持って運航を管理しています。

## 機長の主な特徴

1. 航空機の運航における最終的な責任者です。 2. 航空機の操縦だけでなく、出発や目的地変更などの運航判断を行います。 3. 副操縦士、客室乗務員、管制官、整備士などと連携して安全を確保します。 4. 天候、燃料、航空機の状態、空港の状況などを総合的に確認します。 5. 緊急事態が発生した場合には、限られた時間の中で対応を決定します。 6. 乗客と乗員の生命および航空機の安全を最優先にします。 7. 高度な操縦技能、航空知識、判断力、危機管理能力が必要です。 8. 定期的な技能審査、訓練、健康診断を受ける必要があります。 9. CRMを活用し、乗務員からの意見や情報を安全な判断に役立てます。 10. 航空法、航空会社の規程、運航マニュアルなどを遵守して勤務します。

## 参考資料

1. 国土交通省航空局 https://www.mlit.go.jp/koku/

2. e-Gov法令検索「航空法」 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC0000000231

3. 国土交通省「航空従事者に関する情報」 https://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000001.html

4. 国際民間航空機関(ICAO) https://www.icao.int/

5. 国際民間航空条約(ICAO Convention) https://www.icao.int/publications/pages/doc7300.aspx

6. 国土交通省「航空安全」 https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html

7. 国際航空運送協会(IATA) https://www.iata.org/

投稿者 wlbhiro

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