# 興行収入とは
興行収入(こうぎょうしゅうにゅう)とは、映画、演劇、音楽コンサート、スポーツ大会、舞台公演などの興行によって得られる売上金額のことです。特に日本では、映画が映画館で上映されたことによって得られた入場券の売上を指す場合が多く、「その映画がどれくらい観客を集めたか」を表す代表的な指標として使われています。
映画の場合、興行収入は基本的に、観客が映画館で支払った入場料金の合計です。例えば、一般料金が2,000円の映画に10万人が入場した場合、単純計算では2億円の興行収入になります。ただし、実際の映画館では、一般料金だけでなく、子ども料金、学生料金、シニア料金、割引料金、前売券、各種サービスデーの料金などが存在します。そのため、「入場者数」に平均的な入場料金を掛けて計算した金額と、実際の興行収入が完全に一致するとは限りません。
興行収入は、映画作品の人気や成功度を判断するために広く利用されています。興行収入が高い作品は、多くの観客に見られた可能性が高く、話題性や宣伝効果も大きかったと考えられます。しかし、興行収入だけで作品の芸術的価値や作品の質を判断することはできません。興行収入は、作品の内容だけでなく、公開時期、上映館数、広告宣伝費、出演者の知名度、原作の人気、競合作品の有無、社会的な話題性などにも大きく左右されるからです。
また、興行収入は映画会社や監督、出演者が最終的に受け取る利益そのものではありません。観客が支払った入場料金は、まず映画館、配給会社、製作会社などの関係者に分配されます。さらに、映画の製作費、宣伝費、配給費、劇場運営費などが差し引かれます。そのため、興行収入が大きくても、製作費や宣伝費が非常に高ければ、利益が少ない場合や赤字になる場合もあります。
映画業界では、「初週末興行収入」「公開初日の興行収入」「累計興行収入」「国内興行収入」「全世界興行収入」など、さまざまな表現が使われます。初週末興行収入は、公開直後の金曜日から日曜日など、最初の週末に得られた売上を示します。累計興行収入は、公開開始からある時点までに積み上げられた合計金額です。国内興行収入は特定の国の売上を指し、全世界興行収入は複数の国や地域で得られた売上を合計したものです。
興行収入と似た言葉に「興行成績」があります。興行成績は、興行収入だけでなく、観客動員数、上映回数、ランキング、上映期間などを含めて、作品の興行上の結果全体を表すことがあります。また、「観客動員数」は映画を見た人数を示す指標であり、金額を表す興行収入とは異なります。高額な料金の上映や特別上映が多い作品では、観客動員数が少なくても興行収入が高くなることがあります。
現在では、映画館でのチケット販売だけでなく、プレミアムシート、4DX、IMAX、3D上映、応援上映、特別イベント上映などによって、通常料金より高い入場料が設定されることもあります。その場合、同じ観客数でも通常上映より興行収入が増える可能性があります。一方、動画配信サービス、レンタル配信、テレビ放送、DVD販売、商品化などによる収益は、通常、映画館での興行収入とは別に扱われます。
つまり、興行収入とは、興行によって観客から得られた売上を示す言葉です。映画においては作品の人気を測る重要な数字ですが、利益、観客動員数、作品の評価と完全に同じ意味ではありません。数字を見る際には、公開規模、上映期間、料金体系、製作費、宣伝費、国内外の市場なども合わせて考える必要があります。
## 興行収入の主な特徴
1. 興行収入は、映画館や劇場などで販売された入場券の売上を中心に計算されます。 2. 映画では、作品の人気や商業的な成功を判断する代表的な指標として使われます。 3. 興行収入と観客動員数は異なり、前者は金額、後者は人数を表します。 4. 興行収入は、製作会社や監督がそのまま受け取る利益ではありません。 5. 映画館、配給会社、製作会社などの関係者に売上が分配されます。 6. 製作費や宣伝費が高い作品では、興行収入が高くても利益が少ない場合があります。 7. 公開初週、公開初日、累計、国内、海外、全世界など、集計範囲によって数字が変わります。 8. IMAX、4DX、3D、プレミアムシートなどの高額上映は、観客数以上に興行収入へ影響することがあります。 9. 公開時期、上映館数、宣伝活動、出演者の知名度、原作人気などが数字に影響します。 10. 動画配信、テレビ放送、DVD販売、関連商品の売上は、通常の映画館興行収入とは別の収益です。 11. 興行収入が高いことは商業的な成功を示しますが、作品の芸術性や内容の良さを直接証明するものではありません。 12. 同じ作品でも、国や地域によって料金、上映館数、公開時期が違うため、単純な比較には注意が必要です。
## 参考資料
1. 一般社団法人日本映画製作者連盟「全国映画概況」 https://www.eiren.org/toukei/
2. 一般社団法人日本映画製作者連盟 https://www.eiren.org/
3. 文化庁「文化芸術に関する統計・調査」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/tokei/
4. Box Office Mojo(世界の映画興行成績データベース) https://www.boxofficemojo.com/
5. The Numbers(映画の興行収入・製作費などのデータベース) https://www.the-numbers.com/
6. 映画.com「映画ランキング・興行収入」 https://eiga.com/
7. 日本映画情報システム(文化庁) https://www.eirin.jp/
