マクガフ(MacGuffin)とは、主に映画や小説などの物語構造において登場人物の行動を駆り立てる動機付けアイテムや事象を指す造語です。直接的な内容や正体そのものは物語の本質には必ずしも深く関わらず、あくまで登場人物たちをある方向へ向かわせるきっかけとして機能します。以下では、マクガフの起源や意義、代表例などを含めて詳しく説明します。

1.起源と概念の誕生 マクガフという言葉は、20世紀を代表する映画監督アルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)が好んで使った逸話から広まりました。ヒッチコックは撮影現場で「観客にとって何の意味もないが、登場人物たちには重要な目的物」を指して「MacGuffin」と呼んでいたと伝えられます。彼自身は聞かれても「それが何かは答えない」と語ったとされ、あくまで物語を動かすトリガー(引き金)としての役割を重視しました。

2.マクガフの意義 ・物語展開のエンジンとなる ・登場人物の行動理由を簡潔に提示 ・ディテールにこだわり過ぎず観客の想像を刺激 ・テーマやメッセージを際立たせる脇役的要素

特にミステリーやサスペンスでは「謎の箱」「謎の書類」「謎の人物」など、観客がつい「中身は何だろう?」と興味を引かれる作りにすることで、最後まで物語に没入させる効果が高まります。

3.代表的なマクガフ例 ・ヒッチコック「北北西に進路を取れ…」の秘密情報:中身は明かされず ・「インディ・ジョーンズ」シリーズのアークや聖櫃:力の源泉として扱われるが、細部は曖昧 ・「ダイ・ハード」シリーズの盗聴テープ:テロリストとの攻防を描く装置 ・「スター・ウォーズ」シリーズのデス・スターの図面:帝国軍との戦いを加速 ・「ダ・ヴィンチ・コード」の「聖杯」:ストーリーを大きく動かす謎の象徴

4.マクガフを有効に使うポイント ・物語の冒頭で提示し、終盤まで張り巡らせる ・詳細は明かさず、キャラクター同士のドラマに集中させる ・時折主人公や antagonists が奪い合う場面を挿入し緊張感を維持 ・本筋のテーマとリンクさせると作品としての深みが増す

5.まとめ マクガフは物語そのものの核心(テーマやメッセージ)とは別に設けられる、いわば「物語の燃料」とも言える存在です。中身を詳細に説明することなくとも、人間ドラマやサスペンスの盛り上げ役として多くの作品で巧みに使われてきました。観客や読者が「なぜこれが欲しいのか」「真相は何なのか」を追い求める過程が、作品への没入をいっそう高めるからです。

<マクガフの主な特徴> ・物語を動かす動機付けアイテムである ・具体的かつ詳細は明かされない場合が多い ・登場人物の争奪戦や追跡劇を盛り上げる ・本筋のテーマそのものとは異なる補助的役割 ・観客や読者の想像力を喚起し緊張感を維持

<参考文献・Webサイト> 1. Wikipedia「マクガフィン」 https://ja.wikipedia.org/wiki/マクガフィン 2. 映画.com 映画用語事典「マクガフィン」 https://eiga.com/l/entry/6180/ 3. All About 映画用語入門「マクガフィンとは?」 https://allabout.co.jp/gm/gc/360708/ 4. Filmarksマガジン「映画の小道具学:マクガフィンの魅力」 https://magazine.filmarks.com/articles/2504/ 5. シネマトゥデイ 映画コラム「ヒッチコック流マクガフィン講座」 https://www.cinematoday.jp/page/A0002234 6. 映画ファンブログ「MacGuffin(マクガフィン)の正体とは?」 https://film-lovers.hatenablog.com/entry/2017/05/10/170000

投稿者 wlbhiro

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