流れ星（流星）とは、宇宙空間を飛行中の微小な塵や岩石片（流星体）が地球の大気に高速で突入し、大気との摩擦熱によって発光しながら燃え尽きる現象を指します。古くから天文学のみならず文化や芸術にも大きな影響を与え、「願い事をすれば叶う」といった民間伝承の起源にもつながっています。以下では、その成り立ちや観察のポイント、科学的意義などを詳しく解説します。
【流れ星の成り立ちとメカニズム】 1) 発生源 流星体の多くは、彗星や小惑星が太陽の熱や重力の影響で放出した塵や小さな岩石です。これらは「流星群」としてまとまった軌道を描き、毎年ほぼ一定の時期に地球の軌道と交差します。 2) 大気突入 流星体は秒速10〜70kmという極めて高速で大気圏に侵入します。 3) 摩擦熱による発光 高速度で大気分子と衝突することで、流星体表面と周辺の大気が一瞬で数千～数万℃に加熱され、プラズマとなって光を放ちます。これが「流れ星」として肉眼で観察される光跡です。 4) 燃え尽きまたは隕石化 ほとんどは大気中で完全に蒸発してしまいますが、質量の大きいものは減速して地表に到達し、隕石として回収される場合もあります。
【観察のポイント】 ・観測時間帯：夜半前後から夜明け前が比較的暗く、流星群の活動が活発となりやすい。 ・観測場所：都市部の明かりを避け、できるだけ暗い場所で肉眼観察するのが理想的。 ・観察方法：仰向けに寝そべり、視野を広くとって空全体を見渡すのが効果的。 ・機材：双眼鏡や望遠鏡では視野が狭く流星観測には不向き。 ・記録：流星の出現方向や時間をメモし、後のデータ解析や流星群同定に役立てる。
流れ星の観測や研究は、太陽系の進化を探るうえで重要な手がかりとなります。流星群の組成を分析することで、彗星や小惑星の内部構造、さらに初期太陽系における物質の分布を推定できるからです。また、隕石として地上に落下した物質に含まれる有機化合物の調査は、生命起源に関する研究とも深く関連しています。
特徴（５点以上） ・発光現象：秒速10～70kmの高速で大気突入した際の摩擦熱で光を放つ。 ・継続時間：一般に数百ミリ秒〜数秒程度と非常に短い。 ・色彩：成分によって白や青、黄色、赤みを帯びた色などさまざま。 ・流星痕：長い流れ星では、通過後にしばらく残る光の筋（流星痕）が見られることがある。 ・流星群：特定の時期に同じ方向から多数出現する現象を「流星群」と呼ぶ。 ・隕石化：大きな流星体は燃え尽きずに地表へ到達し、隕石として回収される場合がある。 ・観測頻度：条件が良い夜には１時間あたり数個から十数個の流星が見られる。
参考文献・サイト（日本語） 1) 「流れ星」, Wikipedia日本語版, https://ja.wikipedia.org/wiki/流れ星 2) 国立天文台「流星観測ガイド」, https://www.nao.ac.jp/astro/feature/meteor.html 3) JAXA「流星と隕石」, https://www.jaxa.jp/projects/sat/meteor/index_j.html 4) 宇宙航空研究開発機構（JAXA）広報「流星とは何か」, https://www.jaxa.jp/press/2020/07/20200703-1_j.html 5) アストロアーツ「流星観察と流星群カレンダー」, https://www.astroarts.co.jp/special/meteor/ 6) NASA「What Is a Meteor? – NASA’s Solar System Exploration」, https://solarsystem.nasa.gov/news/794/what-is-a-meteor/
