ザンビア共和国(Republic of Zambia)は、アフリカ大陸南部に位置する内陸国であり、赤道直下の熱帯気候帯に属しながら標高が高いため比較的温和な気候を有しています。北はコンゴ民主共和国、東はマラウイとモザンビーク、南はジンバブエとボツワナ、西はナミビアとアンゴラという7か国に接し、豊かな自然環境と多様な民族・文化を特色としています。1964年にイギリスからの独立を達成し、初代大統領ケネス・カウンダの下で一党制を経て現在は多党制民主主義に基づく議会制共和国として発展を続けています。
面積は約752,618平方キロメートルで日本のほぼ2倍、人口は約2000万人(2023年時点)余り。公用語は英語ですが、国内には70以上の民族言語があり、主要言語としてニヤンジャ語(チェワ語)、バントゥ系のトンガ語やべンガ語などが日常的に用いられています。首都はルサカ(Lusaka)で政治・経済の中心地であり、商業活動や行政機関が集積。もう一つの大都市であるザンビアの旧首都キトウェ(Kitwe)を含む銅ベルト地帯は鉱業都市として発展しました。
鉱業はザンビア経済の柱となっており、特に銅の生産量は世界有数を誇ります。しかし、価格変動や投資環境の改善など経済の多角化が急務とされ、近年では農業、観光、エネルギー開発(特に水力発電)や製造業への投資が政府の重点政策となっています。水資源に恵まれ、ヴィクトリア滝をはじめとする多くの滝や河川は観光資源として国内外から注目を集め、サファリ観光やエコツーリズムの発展も著しいものがあります。
文化面では、先住民の伝承芸能や工芸品、民俗舞踊、音楽などが多様に受け継がれ、国内各地で祭りや儀式が開催されます。特に「クンダ・クンダ舞踊」や「ンバンダ礼拝歌」は観光客にも人気が高く、地場の織物や彫刻、ビーズ細工などは外国人旅行者のお土産としても重宝されています。
気候は標高と季節風の影響を受け、11月から4月にかけての雨季と5月から10月にかけての乾季に分かれます。平均気温は乾季で20℃前後、雨季には25℃~30℃と過ごしやすく、乾季の間はサファリ観光に最適です。生物多様性にも富み、象、ライオン、サイ、バッファロー、サイチョウなどアフリカを代表する野生動物が国立公園やゲーム・リザーブで観察できます。
一方、保健・教育・インフラ整備や貧困削減など社会開発の課題も多く、国際協力団体や援助機関が支援を続けています。今後は再生可能エネルギーの活用、付加価値の高い農産物の輸出促進、人材育成といった分野でのイノベーションが国の持続的発展を左右すると考えられています。
【ザンビアの主な特徴】 1. 地理的条件:面積約75万平方キロメートルの内陸高原国で、標高1000m以上の台地が広がる。 2. 経済構造:銅鉱業が主力産業。近年は農業や観光、水力発電など経済多角化を推進。 3. 多言語・多民族:70以上の民族グループが共存し、公用語は英語。ニヤンジャ語・トンガ語などが日常語。 4. 気候と自然:雨季・乾季に二分される熱帯気候。ヴィクトリア滝や国立公園など豊富な自然資源を保有。 5. 観光資源:サファリ、エコツーリズム、文化芸能、手工芸品など多彩で、訪問客数は年々増加傾向。 6. 社会開発課題:保健医療や教育インフラ、貧困率削減などが喫緊の課題。国際協力による支援が活発。 7. 将来展望:再生可能エネルギー、農産物加工、人材育成を軸とした持続的成長を目指す。
【参考文献・資料】 1. 外務省「ザンビア共和国基礎データ」 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/zambia/data.html 2. 駐日ザンビア共和国大使館「ザンビアのご紹介」 http://www.zambembassy.or.jp/about_zambia.html 3. 世界銀行「Zambia Overview」 https://www.worldbank.org/en/country/zambia/overview 4. Wikipedia日本語版「ザンビア」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ザンビア 5. ジェトロ「ザンビア共和国の投資環境」 https://www.jetro.go.jp/world/africa/zm/index.html 6. JICA「ザンビアにおける社会経済開発協力」 https://www.jica.go.jp/zambia/office/index.html
