韓国大統領とは、大韓民国の国家元首であり、行政権を担う最高責任者です。大韓民国は民主共和制を採用しており、大統領は国民の直接選挙によって選出されます。任期は5年で、再選は禁止されています。大統領は国防、外交、立法への関与(法律案の提出・拒否権行使)など幅広い権限を持ち、国政運営の要となります。

大統領の職務は憲法に明記されており、国家の安全保障政策、外交交渉、予算案の提出、法令の公布、非常災害時の非常命令発動など多岐にわたります。また、国務総理(首相に相当)の任命や各省庁の長官指名も大統領の権限です。さらに、大統領は国家元首として外国元首の表敬を受けたり、国家行事に参加したりします。国民の信任を背景に、政府の政策方針を示す「新年辞」や「施政演説」を行い、国会での所信を表明します。

大統領府(青瓦台/청와대)は大統領の公邸兼執務室であり、かつてはソウル特別市に所在しましたが、2022年以降は一般公開や国民との交流スペースとしても活用されています。大統領はまた、国防指揮権を行使する「最高司令官」として、陸海空軍を統括します。

歴史的には、初代大統領には李承晩(イ・スンマン)が就任し、同氏は1948年から1960年まで在任しました。以降、軍事クーデターを経て民主化運動が高まり、1987年の憲法改正によって現在の大統領直接選挙制が定着しました。大統領の権限と責任は大きく、韓国政治の中心的存在として多くの注目を集めています。

以下に韓国大統領の主な特徴を5点以上のリストで示します。

1. 直接選挙制 韓国大統領は国民による直接選挙で選ばれ、国民の信任に基づく強い正統性を有します。

2. 5年・再選不可の任期 任期は5年で、連続・非連続を問わず再選は認められていません。これにより権力の集中を抑制しています。

3. 行政・外交・軍事の最高責任者 大統領は行政機関のトップとして各省庁を統括し、外交交渉における代表権、そして陸海空軍の最高司令官として国防指揮権を行使します。

4. 法案提出と拒否権 国会に対して法律案の提出ができるほか、国会で可決された法案に対して拒否権(拒否権の再可決には国会の再可決が必要)を行使できます。

5. 大統領府(青瓦台)の運営 青瓦台は公邸兼執務空間で、かつては厳重に管理されてきましたが、近年は一般公開や展示スペースとして国民に開放されるようになりました。

6. 憲法改正提案権 大統領は国会の議決を経ずに憲法改正案を国民投票に付す権限を持ち、国家の根幹に関わる変更を提案できます。

7. 非常時の統制権 戦争・大規模災害など国家非常事態では、必要に応じて非常命令を発し、行政と軍を統制します。

参考文献(日本語) 1. 大韓民国大統領府「大統領の職務」 https://www.president.go.kr/briefly/tasks 2. ウィキペディア「大韓民国大統領」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%9F%93%E6%B0%91%E5%9B%BD%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98 3. 外務省「韓国基礎データ」 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/korea/data.html 4. 韓国憲法(英文)※和訳版も確認可能 https://elaw.klri.re.kr/kor_service/lawView.do?hseq=53027 5. 国立国会図書館「大韓民国政治制度の展開」 https://rnavi.ndl.go.jp/korean/entry/220 6. 青瓦台公式サイト https://www1.president.go.kr/ (韓国語・英語)

投稿者 wlbhiro

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