HYBE(ハイブ)は、韓国ソウルを拠点にグローバルなエンターテインメント事業を展開する総合芸能コンテンツ企業です。もともとは2005年に音楽プロデューサーのパン・シヒョク氏が設立した「Big Hit Entertainment(ビッグヒット・エンターテインメント)」として誕生しました。2021年3月に社名をHYBE Corporationへ変更し、以降は「音楽制作」だけでなく「マルチレーベル」「IP開発」「ファンコミュニティ運営」「テクノロジー事業」「グッズ・ライフスタイルブランド展開」など多角的に事業を拡大しています。
HYBEを語るうえで欠かせないのが、世界的K-POPアーティスト「BTS(防弾少年団)」の成功です。BTSはBig Hit Entertainment時代にデビューし、以来「アルバム売上」「YouTube再生回数」「ビルボードチャート」など数々の記録を塗り替え、世界中にファンコミュニティ「ARMY(アーミー)」を築き上げました。この成功を礎に、HYBEは新規アーティストの育成や、既存レーベルのM&A(合併・買収)を積極的に推進。Pledis Entertainment(SEVENTEEN、NU’EST)、Source Music(GFRIEND※当時)、BELIFT Lab(ENHYPEN)などを傘下に収め、さらにはアパレルやライフスタイルブランド「ADER Error」、ゲーム事業など、エンタメ外の領域にも投資を行っています。
また、ファンコミュニティとアーティストを直接つなぐプラットフォーム「Weverse(ウィバース)」を運営。テキストチャット、動画配信、ライブストリーミング、公式グッズ販売まで一つのアプリで完結する仕組みを整え、グローバルなファンエンゲージメントを強化。これにより従来のレコード売上やコンサート収益に加え、デジタルサブスクリプションやオンラインイベント、IPライセンス収入など多様な収益モデルを確立しました。
HYBEは単なる「音楽制作会社」にとどまらず、テクノロジーやデータ分析を駆使したファンリサーチ、NFTやメタバースなど新興技術への応用、さらには教育プログラムやエンタメ関連スタートアップへの出資を通じて、「総合エンターテインメント企業」としての地位を確立しています。世界各地に支社やレーベルを設置し、アジアのみならず北米・欧州・南米市場への進出を加速。K-POPのグローバル市場拡大を牽引している点も大きな特徴です。
今後は、自社IPを活用した映像コンテンツ(ドラマ・映画)やゲーム化、オンラインとオフラインを融合させた次世代エンタメプラットフォームの構築など、さらなる領域拡大を視野に入れています。それに伴い、従来のアイドルビジネスの枠組みを超えた「文化創造」を通じて、新たなファン価値や社会的インパクトを生み出すことが期待されています。
主な特徴(Features) 1. マルチレーベル体制:Big Hit、Pledis、Source Music、BELIFT Lab、KOZ Entertainmentなど複数レーベルを統括 2. グローバルIP戦略:BTSを皮切りに、TXT、SEVENTEEN、ENHYPEN、LE SSERAFIM、NewJeansなど多国籍グループをプロデュース 3. ファンプラットフォーム「Weverse」:動画配信、コミュニティ運営、公式グッズ販売を一元化 4. テクノロジー活用:データ分析、AIによる楽曲制作支援、NFT・メタバース導入試験など先端技術を積極採用 5. 収益多角化:音楽制作・配信・コンサート収益のほか、ライセンス、映像制作、ゲーム、スタートアップ投資、ライフスタイルブランドなど 6. M&A・提携戦略:国内外のレーベル買収や業務提携を通じ、グローバルネットワークを強化 7. 文化創造ビジョン:音楽にとどまらない総合エンタメコンテンツの開発・提供で“新たなファン体験”を追求
主な参考文献・資料 1. HYBE公式サイト https://www.hybecorp.co.kr/ 2. Wikipedia「HYBE Corporation」日本語版 https://ja.wikipedia.org/wiki/HYBE_Corporation 3. 日本経済新聞「韓国HYBEの躍進戦略とは」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK1020L0Q3A310C2000000/ 4. マイナビニュース「Weverseが変えるファンコミュニティの未来」 https://news.mynavi.jp/article/20210708-1912345/ 5. Forbes JAPAN「HYBE、K-POPビジネスを再定義する」 https://forbesjapan.com/articles/detail/40822
