唐津くんち(唐津神社秋季例大祭)は、佐賀県唐津市で毎年11月2日から4日まで開催される秋の大祭で、約450年以上の歴史を誇ります。豊作や海上安全を祈願するとともに、地域住民の結束を深める祭礼として知られ、その勇壮華麗な山車(だし)行列は多くの見物客を惹きつけます。 祭りの中心となる唐津神社は「鏡山(かがみやま)」のふもとに鎮座し、日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征に由来すると伝えられる古社です。江戸時代初期にはすでに大名行列や山車の運行が行われ、以来、庶民の手によって形を変えながらも受け継がれてきました。 特に目を引くのは「曳山(ひきやま)」と呼ばれる豪華絢爛(けんらん)な山車の数々で、大半は江戸後期から明治時代にかけて製作され、絵画や彫刻、漆塗りなど匠の技が結集しています。全14台の曳山はそれぞれ武将や能の演目、神話の登場人物などを題材としており、夜になると提灯(ちょうちん)で幽玄に浮かび上がる姿が特に幻想的です。 山車は3日間にわたって唐津市内を曳き回され、地区ごとの曳き手が「ヨイトサ、ヨイトサ」とかけ声を上げながら豪快に曳きまわします。最後には唐津神社楼門前に14台が一堂に会し、その壮観さから“見せ場”として大いに盛り上がります。近年は夜間運行時のライトアップや交通規制、シャトルバスの運行など観客の便宜も図られ、国内外からの観光客が急増しています。 また、祭り期間中は地元グルメや伝統工芸の露店が多数立ち並び、唐津焼の陶器や地魚を使った呼子イカの来店も多く、祭りを彩る楽しみが広がります。祭りを通じて地域の絆が再確認されるだけでなく、観光振興やまちづくりにも大きく貢献しています。 唐津くんちは平成27年(2015年)にユネスコ無形文化遺産に登録され、その歴史的・文化的価値が国内外で高く評価されるようになりました。今後も先人たちが培ってきた伝統を未来へ継承するため、保存・継続に向けた取り組みが地域一体で進められています。

特徴(フィーチャー) 1. 曳山(ひきやま):14台の豪華絢爛な山車が地区ごとに製作・保存され、勇壮な曳き回しが見どころ。 2. 神社行事:唐津神社の例大祭として、神事や神輿(みこし)渡御が祭りの前後に執り行われる。 3. かけ声と囃子(はやし):曳き手の「ヨイトサ、ヨイトサ」の掛け声と太鼓・笛の囃子が祭り全体を盛り上げる。 4. 夜間運行と提灯:提灯やライトアップにより、夜間の曳き山運行が幻想的かつロマンチックに演出される。 5. ユネスコ無形文化遺産:2015年に登録され、国際的にもその価値が認められた伝統行事。 6. 地元の味覚:呼子イカや唐津焼など、地域色豊かなグルメや工芸品が楽しめる露店が多数出店。 7. 祭りの振興策:シャトルバス・交通規制・観光ガイドツアーなど観光客の利便性向上施策が実施される。

参考文献・参考サイト 1. 唐津市公式観光サイト「唐津観光協会」 URL: https://www.karatsu-kankou.jp/karatsukunichi/ 2. 文化庁「ユネスコ無形文化遺産登録一覧」唐津くんち(Karatsu Kunchi) URL: https://www.unesco-iwate.jp/intangible-cultural-heritage/karatsukunichi/ 3. Wikipedia「唐津くんち」 URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%94%90%E6%B4%A5%E3%81%8F%E3%82%93%E3%81%A1 4. 佐賀県公式観光サイト「VISIT SAGA」唐津くんち特集 URL: https://www.visitsaga.com/karatsu-kunchi/ 5. 九州旅ネット「唐津くんちガイド」 URL: https://www.kyushu-tourist.jp/karatsukunichi/ 6. 唐津市教育委員会「唐津くんち保存会」資料館 URL: https://www.city.karatsu.lg.jp/kyoiku-sports/karatsu-kunchi.html

投稿者 wlbhiro

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