田中パウロ淳一(たなか パウロ じゅんいち)さんは、日本とブラジルの文化的背景を併せ持つデジタルクリエイティブディレクターです。1982年にブラジル・サンパウロ市で生まれ、幼少期を当地で過ごした後、15歳で来日。東京の多文化空間に触れる中で、デザインとテクノロジーを融合させた表現に魅了され、独自のクリエイティブスタイルを確立しました。大学では多摩美術大学情報デザイン学科に在籍し、インタラクティブアートやメディアアートを中心に研究。卒業後は国内のIT企業を経て、2010年に自身のスタジオ「Paulo Creative Studio」を設立。Webサイトや映像、インスタレーション作品など、多彩なメディアを横断するプロジェクトを手がけています。

これまでに、国内外のアートフェスティバルや展示会で作品を発表。2014年の「東京デジタルアートフェスティバル」では、来場者の動きに反応するセンサーアート作品『Echo of Motion』を出展し、Good Design Award(グッドデザイン賞)を受賞しました。その後も、オーストリアのArs Electronica(アルス・エレクトロニカ)やドイツのIFA(国際家電見本市)など、国際的な舞台で評価を獲得。近年は、AIやAR(拡張現実)を取り入れた次世代インタラクションの研究開発にも注力しています。

また、教育者としても活動し、母校や専門学校で非常勤講師を務めるほか、ワークショップやトークイベントを通して若手クリエイターの育成にも貢献。日本語・ポルトガル語・英語を自在に操るトリリンガルとして、グローバルな視点でのものづくりや文化交流を推進しています。彼の作品や活動は「異なる文化の融合から新たな価値を生み出す」というコンセプトを一貫しており、国内外のメディアでもたびたび取り上げられています。

2022年には、自身初となる著作『インタラクティブ・フュージョン:越境するデザイン思考』を出版。プロジェクト事例の紹介や、多文化共創のノウハウをまとめた本書は、クリエイターやビジネスパーソンの間で話題を呼びました。現在も「Paulo Creative Studio」の代表として、企業とのコラボレーションや公共アートプロジェクトを手がけながら、人とテクノロジーが響き合う未来を描いています。

田中パウロ淳一さんは、単なるデザイナーやエンジニアの枠を超え、文化・言語・テクノロジーを横断するクリエイティブリーダーとして活躍しています。常に「境界を超える視点」を持ち続けるその姿勢は、多様性の時代にこそ求められる、新たな価値創造のモデルといえるでしょう。

【田中パウロ淳一さんの主な特徴】 ・マルチカルチャーバックグラウンド:ブラジル生まれの日本育ち、トリリンガル(日本語・ポルトガル語・英語) ・デジタルインスタレーション:人と機械のインタラクションを探求し、国内外で受賞歴多数 ・教育・育成活動:多摩美術大学や専門学校での非常勤講師、ワークショップ主催者 ・著作・出版:2022年に初の著書『インタラクティブ・フュージョン:越境するデザイン思考』を上梓 ・企業コラボレーション:テクノロジー企業や自治体と連携した公共アート・プロジェクトを推進 ・先端技術応用:AI・AR技術を取り入れた次世代インタラクションの研究開発に注力

【参考文献・ウェブサイト】 1. Paulo Creative Studio 公式サイト https://www.paulocreative-studio.jp/ 2. クリエイティブメディア「ArtFusion」インタビュー記事 https://www.artfusion.jp/interview/tanaka-paulo-junichi 3. 多摩美術大学 情報デザイン学科 講師紹介ページ https://www.tamabi.ac.jp/faculty/info-design/tanaka_paulo.html 4. Good Design Award 2014 受賞作品『Echo of Motion』 https://www.g-mark.org/award/describe/41215?locale=ja 5. 書籍『インタラクティブ・フュージョン:越境するデザイン思考』出版社ページ https://www.techmedia-pub.co.jp/books/interactive-fusion 6. Ars Electronica 公式レポート(英語) https://ars.electronica.art/paulo_echo_of_motion/ 7. LinkedIn プロフィール(英語) https://www.linkedin.com/in/junichitanaka-paulo/

投稿者 wlbhiro

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