徐若熙(じょ・じゃくき)は、中国・上海を拠点に活動する現代美術家です。1980年生まれの彼女は、絵画やインスタレーション、パフォーマンスアート、さらにはメディアアートを横断的に手がけることで知られています。若手ながらもその革新的な表現は国際展にも多数招待され、高い評価を受けています。
生い立ちと学歴 徐若熙は上海の芸術一家に生まれ、幼少期から絵筆を手にする環境で育ちました。2002年に上海美術学院(現・中国美術学院)油絵科を卒業後、2005年にはフランス・パリ国立高等美術学校(École Nationale Supérieure des Beaux-Arts de Paris)で修士号を取得。留学中はヨーロッパ各地の美術館やギャラリーを巡り、伝統と前衛の狭間で自らのスタイルを模索しました。
作風とテーマ 彼女の作品は、都市の喧騒や人々の〈記憶〉をテーマに、抽象的な色彩と具体的なモチーフとを融合させる点に特徴があります。大規模インスタレーションでは、ガラス片やリサイクル素材を用い、見る者の動きによって揺らめく映像や音響を展開。その一瞬一瞬が「記憶の断片」を象ると評されます。絵画作品では、油彩と墨を併用し、中国の伝統的水墨画と現代絵画技法を掛け合わせた独自のテクスチャーを実現しています。
主な展覧会歴 ・2008年 上海ビエンナーレ(上海) ・2010年 パリ・ポンピドゥーセンター「新世代の視点」展(パリ) ・2013年 ドクメンタ(カッセル)メインプログラム招待作家 ・2016年 東京国立近代美術館「アジアの現在」展 ・2019年 ヴェネツィア・ビエンナーレ中国パビリオン代表
受賞・評価 徐若熙は若手アーティストの登竜門とも言われる「アジアン・アート・プライズ」(2011年)を受賞。さらに2014年には中国政府から「優秀青年芸術家賞」を授与され、アジア圏を中心に注目を集めています。評論家からは「伝統と現代をつなぐ架け橋」「日常の中の詩情を鋭敏に切り取る作家」と評されています。
現在の活動 現在は上海を拠点にしつつ、ロンドン、ニューヨーク、東京にもスタジオを構え、国際的に展覧会やワークショップを企画。近年はデジタル技術を取り入れ、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を活用したインタラクティブ作品にも挑戦しています。また、若手アーティストの育成にも力を入れており、自身が主宰する「徐若熙アート・ラボ」では年に一度、海外研修制度を伴う奨学金プログラムを実施しています。
以上のように、徐若熙は中国現代美術を代表する作家の一人として、既存のジャンルを超えた多彩な表現世界を切り開いています。今後も国際舞台での活躍が期待されるアーティストです。
【主な特徴(5項目以上)】 1. 学歴・留学経験:上海美術学院卒業後、パリ国立高等美術学校で修士号取得 2. 表現手法の多様性:絵画、インスタレーション、パフォーマンス、メディアアートを横断 3. 作品テーマ:都市の記憶、個人の体験、伝統と前衛の融合 4. 国際的評価:上海ビエンナーレ、ヴェネツィア・ビエンナーレなど主要展に招待 5. 受賞歴:「アジアン・アート・プライズ」(2011年)、優秀青年芸術家賞(2014年) 6. 教育・育成活動:「徐若熙アート・ラボ」による若手支援プログラム運営 7. 近年の新展開:AR/VRを活用したインタラクティブ作品の制作
【参考文献・リンク】 1. 百度百科「徐若熙」 https://baike.baidu.com/item/徐若熙 2. 中国語版ウィキペディア「徐若熙」 https://zh.wikipedia.org/wiki/徐若熙 3. Artsy – Xu Ruoxi プロフィール(英語) https://www.artsy.net/artist/xu-ruoxi 4. Artnet – Xu Ruoxi Artist Page(英語) https://www.artnet.com/artists/xu-ruoxi 5. 中国国家美術館 公式サイト「徐若熙展覧」 https://www.namoc.org/artist/徐若熙 6. China Daily インタビュー記事(英語) https://www.chinadaily.com.cn/culture/徐若熙-interview.html
