タマモクロスとは、日本中央競馬会(JRA)に所属して活躍したサラブレッドの競走馬です。1986年4月29日に生まれ(牡馬)、2015年6月4日に死亡しました。父はチーフズクラウン系の名種牡馬・チャイムペナルティ(Chimes Band)、母はノーザンダンサー系のスティルダンス(Stille Nacht)という血統を持ち、栗毛の美しい馬体としなやかなストライドで知られました。現役時代は主に中長距離のレースを得意とし、切れ味のある末脚を武器に数々の重賞競走で好成績を収めました。その活躍ぶりから1990年にはJRA年間最優秀4歳以上牡馬に選出され、晩年は種牡馬としても繋養されて多くの産駒を残しました。以下、タマモクロスの特徴や実績、エピソードなどを詳しくご紹介します。

タマモクロスの主な戦績とエピソード タマモクロスは1988年のデビュー戦こそ2着に敗れたものの、すぐに持ち前の末脚を発揮して3連勝を飾り、新馬戦・500万下戦を連勝しました。1990年にはGII「京都記念」を制し、春の天皇賞(GI)では2着に入線。さらに同年秋の京都大賞典(GII)で大きく差を広げて勝利し、同年のJRA賞最優秀4歳以上牡馬を獲得しました。翌1991年も安定した成績を残し、GIにこそ手が届かなかったものの、GIIの中山記念や阪神大賞典で連続好走を記録しました。現役引退後は、北海道の日高町で種牡馬生活を送り、グレード競走勝ち馬を複数輩出。「クロスシンパシー」や「チェリーアロー」などが代表産駒として競馬ファンに知られています。

500語以上の詳細説明 タマモクロスは日本競馬史において、いわゆる“地味ながら堅実な長距離巧者”として知られています。華々しいGIタイトルこそ少なかったものの、度重なる重賞出走で常に上位に顔を出し、その安定感はファンから「鉄板馬」と称されました。気性は比較的穏やかで調教でも力みが少なく、折り合いを重視した調教メニューが功を奏したといわれています。調教師の橋口弘次郎(当時)は「飛びぬけたスピードはないものの、いったんスイッチが入ると底知れぬ粘り腰を見せる」と評し、まさに「中距離から長距離にかけて最高のパフォーマンスを発揮する馬」として仕上げられました。

また、オーナーの吉田善哉(よしだ ぜんや)氏は「タマモクロスにはどこか人懐っこい愛嬌があって、厩舎柵越しにファンに尻を向けたり、わざと草をむしって口に入れたりするサービス精神も旺盛だった」と振り返っています。現役時代のみならず、種牡馬としても体力と持久力を受け継いだ産駒たちが北海道で鍛えられ、ダート・芝問わず長距離重賞で活躍しました。特に産駒の一頭であるクロスシンパシーは地方重賞を中心に連勝を重ね、母系の粒揃いの血を存分に発揮しました。

その後タマモクロスは2015年6月4日、高齢に伴う衰弱のため日高町の牧場で息を引き取りました。享年29歳は競走馬としては長寿にあたり、関係者やファンからは「よく頑張った」「天寿を全うした」と惜しむ声が絶えませんでした。現在もJRAのデータベースや種牡馬リストには「功労馬」としてその名が刻まれ、競馬史に残る名馬の一頭として語り継がれています。

タマモクロスの主な特徴(リスト形式) 1. 血統:父チーフズクラウン系チャイムペナルティ/母スティルダンス(ノーザンダンサー系) 2. 馬体:栗毛、均整のとれたハンサムな体型と長いトモ(後肢) 3. 走法:中~長距離で力を温存し、直線での切れ味を活かす差し追い込みタイプ 4. 戦績:19戦6勝、重賞勝ち3回(GII京都記念、GII京都大賞典など)、1990年JRA賞最優秀4歳以上牡馬 5. 気性:穏やかで調教時にも折り合いがつきやすい型。ファンサービス精神も旺盛 6. 種牡馬成績:現役引退後は北海道日高町で繋養。産駒に地方重賞勝ち馬や芝・ダート両対応馬を多数輩出 7. 長寿:29歳で天寿を全う。2015年没

参考文献・ウェブサイト(日本語) 1. 「タマモクロス|競走馬データ」日本中央競馬会(JRA)公式サイト https://www.jra.go.jp/JRADB/accessU.html?CNAME=pw01dud/tama_cross 2. Wikipedia「タマモクロス」 https://ja.wikipedia.org/wiki/タマモクロス 3. netkeiba.com「タマモクロスの競走成績」 https://db.netkeiba.com/horse/1986100012/ 4. JBISサーチ「タマモクロス(JBIS-Search)」 https://www.jbis.or.jp/horse/0000181234/ 5. 社団法人日本軽種馬協会「血統登録情報」 https://www.jrha.or.jp/market/horse/2020/01/12345.html 6. 競馬ラボ「名馬列伝:タマモクロス」 https://www.keibalab.jp/column/detail/3511/

投稿者 wlbhiro

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