ふたご座流星群は、毎年12月中旬に活動がピークを迎える代表的な冬の流星群です。流星群の母天体である小惑星(軍艦岩)パンス(3200 Phaethon)由来の粒子が地球の軌道に飛び込むことで、大気圏でプラズマ化した際に光跡を描きます。日本国内では月明かりや都市部の光害が比較的少ない山間部や郊外での観察が最適とされ、寒さ対策を万全に行うことで、一晩に数十から多いときで100個前後の流星を観測できるチャンスがあります。

天気(気象条件)は観察成功の鍵です。晴天率や雲量、気温、風速、湿度などが流星観察に深く関わります。特に冬型の気圧配置時は北西の季節風が強まりやすく、雲が広がると観察が難しくなるため、数日前から気象予報をこまめにチェックしましょう。観察時は、なるべく光源の少ない場所へ移動し、身体を冷やさないよう防寒着と毛布、ホッカイロ、温かい飲み物を準備すると安心です。また、月齢が新月期に近いほど暗い空で faint な流星もはっきり見えやすくなります。

以下に本現象の主な特徴(フィーチャー)をまとめました。

【ふたご座流星群の主な特徴】 ・放射点:ふたご座(Gemini)の星々を中心とする位置に見えるが、実際は全天どこでも流星を観察可能。 ・活動期間:毎年12月4日頃~17日頃まで継続し、極大日は12月13日または14日。 ・極大時の観測条件:日本では13日深夜~14日未明にかけて最も多く流星が出現。 ・出現速度:秒速35km程度で大気圏に突入し、明るい火球になるものもある。 ・1時間当たりの出現数(ZHR):理想条件下で60~120個だが、月明かりや雲量で大きく減少。 ・母天体:ほぼ岩石質の小惑星パンス(3200 Phaethon)、彗星起源とは異なる特徴を持つ。 ・観察ポイント:月齢、雲量、光害の少ない環境、空気の乾燥度が高いほど見やすい。 ・寒さ対策:厚手の防寒具、寝袋やレジャーシート、温かい飲み物を用意。

参考文献(ウェブサイト) 1. 国立天文台「2023年ふたご座流星群の見どころ」 https://www.nao.ac.jp/news/science/20231130-gem.html 2. NASA Meteor Shower Portal – Geminiids https://meteorshowersonline.com/showers/geminiids.html 3. 日本気象協会 tenki.jp「星空・流星群情報」 https://tenki.jp/suppl/tsuboi/2023/12/12/7676.html 4. ウェザーニュース「2023年12月ふたご座流星群観察ガイド」 https://weathernews.jp/s/topics/202312/120115/ 5. アストロアーツ「ふたご座流星群」(2023年版) https://www.astroarts.co.jp/alacarte/2023/12/12_geminids-j.shtml 6. 天文ガイドONLINE「流星群観察マニュアル」 https://www.tenmonguide.jp/meteor/observe.html

投稿者 wlbhiro

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