投資信託とは、多数の投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、その資金を専門の運用会社（ファンドマネージャー）が株式や債券、不動産などさまざまな投資対象に分散して投資・運用する金融商品です。投資家は投資信託を購入することで、少額から幅広い資産クラスにアクセスでき、専門家による運用成果を期待できます。
投資信託の仕組み まず、投資家は証券会社や銀行、ネット証券などを通じて投資信託の「受益権」を購入します。受益権とは「このファンドに対して投資している権利」のことで、投資家はこの受益権を保有することで、ファンドが運用により得た利益（分配金や値上がり益）を享受できます。運用期間中、ファンドマネージャーは市場動向やマクロ経済、企業業績などを分析し、投資対象の組み入れ比率や銘柄選択を逐次見直します。そして運用成果に応じて受益者に分配金を支払うか、再投資して基準価額（投資信託の価格）を上昇させるという形で利益を還元します。
投資信託のメリット 1. 少額から投資可能：多くの場合、数千円から購入でき、家計の余裕に合わせた投資が可能です。 2. 分散投資効果：株式や債券、さらには海外資産や不動産投資信託（REIT）などに分散投資することで、リスクを軽減します。 3. プロによる運用：ファンドマネージャーや運用専門家が市場調査や銘柄選定を行うため、投資の専門知識が乏しくても参加しやすいです。 4. 流動性が比較的高い：証券取引所に上場しているETF（上場投資信託）を除けば、通常は毎営業日の基準価額で売買が可能です。 5. 自動積立投信により長期投資の習慣化が可能：毎月一定額を自動的に購入でき、ドルコスト平均法を活用できます。
投資信託の留意点 ・手数料（販売手数料、信託報酬、解約時の信託財産留保額など）がコストとしてかかる。 ・元本保証ではないため、運用成績によっては元本割れのリスクがある。 ・ファンドの運用方針や組入資産、運用期間によってリスク・リターンが大きく異なるため、事前に目論見書（プロスペクタス）をよく確認する必要がある。 ・為替変動リスク：海外資産に投資するファンドでは為替レートの変動がリターンに影響を及ぼす。 ・流動性リスク：投資対象によっては換金までに時間がかかる場合がある。
代表的な投資信託の分類 1. 株式投資信託（国内株式／国際株式） 2. 債券投資信託（国内債券／海外債券） 3. バランス型投資信託（株式と債券を組み合わせたもの） 4. マネー・マーケット・ファンド（MMF、短期債主体） 5. ETF（上場投資信託）およびREIT（不動産投資信託）
以上の特徴を踏まえ、自身の投資目的やリスク許容度、投資期間に合った投資信託を選定することが重要です。長期的・計画的に資産を形成していく手段として、日本国内外の金融商品を比較検討しながら活用しましょう。
【投資信託の主な特徴】 1. 少額から投資可能である 2. 複数の資産に分散投資できる 3. プロの運用担当者が資産配分を管理 4. 毎営業日の基準価額で売買が可能 5. 自動積立サービスで長期投資をサポート 6. 手数料（信託報酬など）がコストに影響 7. 元本保証ではなく、運用リスクが存在
【参考文献・ウェブサイト】 1. 投資信託協会「投資信託ガイドブック」 URL: https://www.toushin.or.jp/tnb/guide/index.html 2. 金融庁「投資信託に関する基本知識」 URL: https://www.fsa.go.jp/policy/investment/trust.html 3. 野村證券「はじめての投資信託」 URL: https://www.nomura.co.jp/retail/guide/investment_trust/ 4. SBI証券「投資信託銘柄検索・比較」 URL: https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/ 5. 楽天証券「投信スーパーサーチ」 URL: https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/search/ 6. モーニングスター「投資信託ランキング」 URL: https://www.morningstar.co.jp/FundGuide/Ranking/ 7. 三菱UFJ国際投信「投資信託とは」 URL: https://www.am.mufg.jp/knowledge/about/index.html
