暴風雪警報（ぼうふうせつけいほう）は、日本の気象庁が発表する気象警報の一つで、猛烈な風と非常に激しい降雪によって大きな災害が発生するおそれがある場合に発表されます。暴風雪警報が発表されると、視界不良や道路の凍結・積雪による交通障害、倒木・屋根の破損など、生命や財産に重大な被害をもたらす危険性が高まります。以下では、暴風雪警報の定義や基準、気象現象の特徴、発生時の影響、警報の活用方法などを解説します。
１．定義と基準 気象庁の定める暴風雪警報は、以下の気象条件のいずれかを満たす場合に発表されます。 ・10分間平均風速が25メートル以上、または最大風速が30メートル以上であると予想される場合 ・降雪量が1時間あたり10センチメートル以上、または24時間降雪量が50センチメートル以上と予想され、かつ風速が強い場合
２．気象現象の特徴 暴風雪警報の対象となる気象は、強風と激しい降雪が同時に発生し、視界が極端に制限される「ホワイトアウト」状態を引き起こすことが多い点です。ホワイトアウトにより進行方向が不明になり、自動車事故や雪崩の危険性が増します。また、風雪によって樹木が折れたり、送電線が断線したりするケースも少なくありません。
３．発生時の社会的影響 暴風雪により道路や鉄道の運休・遅延、航空便の欠航が相次ぎ、物流が停滞します。停電や断水などのライフライン被害が発生しやすく、学校や企業の休校・休業措置が取られることもあります。特に高齢者世帯や孤立地域では、適切な避難や物資の確保が困難になり、命に関わる事態となりかねません。
４．警報の活用と注意点 暴風雪警報が発表された場合、以下の対策が推奨されます。 ・不要不急の外出を控え、屋内で安全を確保する。 ・食料や水、暖房燃料を十分に備蓄し、停電に備えて懐中電灯や携帯ラジオを準備する。 ・車両は可能な限り使用を避け、どうしても移動が必要な場合はチェーン装着や四輪駆動車の利用を検討する。 ・自治体が指定する避難場所や融雪施設の位置を確認し、必要に応じて避難計画を作成する。 ・最新の気象情報を気象庁の公式サイトやテレビ・ラジオで常にチェックし、命を守る行動を最優先にする。
５．他の警報との違い 暴風雪警報は「暴風警報」と「大雪警報」が同時に発表される水準を超え、かつそれらが合わさった特に危険な気象状況を指します。大雪警報と暴風警報は単独でも発表されますが、暴風雪警報は「風」「雪」「視界不良」「交通障害」「ライフライン寸断」の複合リスクが著しく高まる点で区別されます。
――――――――――――――――――――――――――― ■ 暴風雪警報の主な特徴（５項目以上） ・強風と激しい降雪が同時に発生し、ホワイトアウト状態を引き起こす危険がある。 ・視界が著しく低下し、歩行者や運転者の安全が大きく損なわれる。 ・積雪や吹きだまりにより道路交通が麻痺し、救急・消防活動も制限される。 ・強風で樹木が倒れたり、建物の屋根や看板が飛散するなど、構造物被害が多発する。 ・停電や断水などのライフライン被害が拡大し、被災地での救援・復旧作業が困難となる。 ・自治体や企業は警報発表前後で休校・休業、イベント中止の判断を迫られる。 ・農業や漁業にも甚大な被害を与え、地域経済に長期的な影響を及ぼすことがある。
――――――――――――――――――――――――――― ■ 参考文献・情報サイト 1. 気象庁「警報・注意報」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kazehyou.html 2. 気象庁「暴風雪警報の基準」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/boufuu.html 3. Wikipedia「暴風雪警報」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%B4%E9%A2%A8%E9%9B%AA%E8%AD%A6%E5%A0%B1 4. 日本気象協会 tenki.jp「大雪・強風の防災情報」 https://tenki.jp/bousai/snowstorm/ 5. 防災情報ポータルサイト「全国避難所ガイド」 https://gaccom.jp/safety/ 6. NHK気象情報「冬の気象災害と対策」 https://www3.nhk.or.jp/news/weather/event/winter/ 7. 内閣府防災情報「大雪・暴風雪に備える」 https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h28_06/pdf/1606_03.pdf
