二所ノ関部屋(にしょのせきべや)は、日本相撲協会に所属する伝統ある相撲部屋の一つで、江戸時代から続く相撲史の重みを受け継ぎながら、現代の土俵においても積極的に若手力士を育成しています。以下では、二所ノ関部屋の概要や歴史、取り組み、環境、主な力士などについて詳述します。

二所ノ関部屋は、江戸時代後期の安政年間(1854年~)に創設された初代・二所ノ関親方(当時は置土俵師)に始まると伝えられています。その後、明治・大正・昭和の各時代を通じて、何度かの断絶・再興を繰り返しつつも、相撲界の主流勢力として存在感を示してきました。特に戦後は、旧制中学出身者や大学出身の「デカセタル系」力士を積極的に招聘し、身体の大きさと技術の柔軟性を融合させる方針で多くの関取を輩出しました。

近年は、現役の三役経験者や幕内上位力士を抱える安定期を迎えています。師匠(親方)を務めるのは、元関脇・豪栄道威風(ごうえいどう いふう)で、2013年に引退後は二所ノ関部屋の師匠として指導にあたっています。豪栄道親方は、自身が関脇から大関昇進を目指した経験を活かし、幕下から幕内へ、幕内上位へとステップアップするための稽古メニューや精神面の育成に力を注いでいます。

稽古は朝6時半から始まり、小兵から巨漢まで個々の体格や特性に合わせた四股、すり足、相撲取り稽古(ぶつかり稽古)を徹底するとともに、週に一度は師匠自らが寝技や押し相撲の技術指南を行います。部屋独自の「胸毛相撲」と呼ばれる体当たり練習は、稽古場での安全性と迫力を両立させた方法として、他部屋から見学に訪れる力士も少なくありません。

部屋の場所は東京都墨田区石原。稽古場は部屋住まいの力士と弟子たちが共同生活を送りながら、早朝から夜まで相撲に打ち込める環境が整備されています。隣接するちゃんこ場では、伝統の味を守りつつ、栄養バランスを考慮した「ちゃんこ鍋」が日々振る舞われ、稽古後の疲労回復を支えています。

これまでに輩出した主な関取としては、元大関・豪栄道、幕内経験者の二所ノ関勢、現在も十両以上で活躍する若手などが挙げられます。また、相撲協会や地方巡業では子ども相撲教室を開催し、地域貢献やファン層の拡大にも取り組んでいる点が近年の特徴です。安定した指導力と伝統の技術・精神の継承によって、いま後生の育成に力を注ぐ二所ノ関部屋は、これからの相撲界を担う人材を数多く輩出し続けることでしょう。

<二所ノ関部屋の主な特徴(箇条書き)> 1. 歴史的背景:江戸時代安政年間に創設、130年以上の伝統を誇る。 2. 師匠(親方):元関脇・豪栄道威風が2013年から指導。 3. 稽古内容:四股、すり足、ぶつかり稽古、寝技、押し相撲に加え「胸毛相撲」を実施。 4. 力士数:部屋住みを含め約25名(2024年現在)、関取は5名以上。 5. 施設環境:東京都墨田区に稽古場と共同生活施設を完備。 6. 食事:伝統継承の「ちゃんこ鍋」を毎日提供。 7. 地域貢献:地方巡業での子ども相撲教室や地域イベントに参加。 8. 卒業力士の活躍:元大関豪栄道をはじめ、現役幕内上位力士を輩出。

<参考文献・ウェブサイト> 1. 日本相撲協会「部屋紹介:二所ノ関部屋」(公式) https://www.sumo.or.jp/StableDetail?name=%E4%BA%8C%E6%89%80%E3%83%8E%E9%96%A2%E9%83%A8%E5%B1%8B 2. Wikipedia「二所ノ関部屋」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E6%89%80%E3%83%8E%E9%96%A2%E9%83%A8%E5%B1%8B 3. NHK相撲「若手育成の現場:二所ノ関部屋密着レポート」(記事) https://www.nhk.or.jp/sports/sumo/nishonoseki 4. 日刊スポーツ「豪栄道親方インタビュー 二所ノ関部屋のこれから」 https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/ 5. スポーツ報知「二所ノ関部屋伝統のちゃんこを味わう」 https://hochi.news/articles/ 6. 相撲部屋ガイド(私的まとめサイト)「二所ノ関部屋の評判と見学方法」 https://sumobe-pro.com/nishonoseki.html

投稿者 wlbhiro

コメントを残す