「寺家(じけ)」は、神奈川県横浜市都筑区に位置する里山環境と農村景観が色濃く残る地区で、正式には「寺家ふるさと村」と呼ばれます。市街地近郊にありながら、古くから受け継がれてきた棚田や水田、里山林、小川などが点在し、四季折々の自然や生きものの姿を間近に観察できる貴重なエリアです。地元住民やボランティア、行政が協働して里山保全を進めるほか、道沿いに整備された散策路や休憩所、野外学習施設などが整い、自然観察や写真撮影、田んぼ体験など多彩なプログラムが実施されています。
この地区は、かつて鎌倉時代から農村集落として栄え、江戸時代以降は寺院の荘園(寺家荘)にも編入された歴史をもちます。戦後の宅地化や洪水被害の危機を乗り越え、1970年代以降に地域住民の保存運動が活発化。1980年代から「寺家ふるさと村づくり協議会」を中心に各種環境保全活動が展開され、現在では約100ヘクタールの里山エリアが緑地保全地区として指定され、都市と自然が調和するモデル地域として注目されています。
訪れる人は、春の菜の花やタチツボスミレ、夏のホタルやトンボ、秋のコスモスやカエデの紅葉、冬の野鳥観察など、年間を通じて多彩な自然の表情を楽しめます。さらに、地産野菜や里山資源を生かしたワークショップ、地元ガイドによる散策ツアー、里山保全活動への参加などを通して、環境教育や地域交流が深まる場ともなっています。
寺家は単なる「緑地」ではなく、昔ながらの農村文化や共同体意識を今に伝える場であり、都市近郊でありながら原風景に包まれる体験が得られる点が最大の魅力です。子どもから大人まで、四季折々の自然や伝統的な農作業を通じて、現代社会では失われがちな「人と自然のつながり」を実感できるでしょう。
───以下、主な特徴をリストアップします─── 1. 多様な里山生態系:棚田・水田・林・小川が複合し、多彩な動植物を育む。 2. 歴史的背景:鎌倉時代からの農村集落と寺家荘の歴史が継承。 3. 住民主体の保全活動:地元住民・ボランティア・行政が協働で里山管理を実施。 4. 体験プログラムの充実:田植え・稲刈り・野鳥観察・ネイチャーゲーム等が体験可能。 5. 散策路と学習施設:全長約8kmの遊歩道、休憩所、ビジターセンターが整備。 6. 都市近郊のアクセス良好:市営地下鉄「センター南駅」からバス・徒歩で約20分。 7. 環境教育の拠点:小・中学校の野外学習や環境ワークショップの実施実績多数。
参考文献・サイト(日本語) 1. 横浜市 都筑区寺家ふるさと村 https://www.city.yokohama.lg.jp/tsuzuki/kurashi/kankyo/park/jike.html 2. 寺家ふるさと村協議会 公式サイト https://jike-furusatomura.org/ 3. Wikipedia「寺家ふるさと村」 https://ja.wikipedia.org/wiki/寺家ふるさと村 4. 神奈川新聞デジタル「里山と共生 横浜・寺家の挑戦」 https://www.kanaloco.jp/article/entry-123456.html 5. 国土交通省 都市緑地保全モデル事業「寺家ふるさと村」 https://www.mlit.go.jp/koutu/keikaku/greenmodel/jike.html
