映画『超特急』(原題:Bullet Train)は、2022年7月にアメリカで公開され、同年10月に日本でも公開されたアクション・スリラー映画です。世界的ヒット作『デッドプール2』や『ワイルド・スピード ジェットブレイク』のデヴィッド・リーチ監督がメガホンを取り、ベン・ラッセルのノンフィクション小説「Bullet Train」を原作にしています。主演はブラッド・ピットで、派手なアクションやブラックユーモア、個性的なキャラクターが列車内で交錯する独特の世界観が話題を呼びました。物語の舞台となるのは東京と京都を結ぶ超特急列車「マリアビートル号」。この車両内で命を狙い合う凄腕の殺し屋たちが、次々と衝撃的な事件に巻き込まれます。舞台劇のように限られた空間で物語が展開するため、観客は常に緊張感を持ち続けることになります。
本作の脚本は『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』にも携わったザック・オルケビッチとリー・スターンバーグが手がけ、ブラックユーモアとスリリングなアクションのバランスが巧みに調整されています。撮影監督は『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のジョナサン・シールズ、編集は『ジョン・ウィック』シリーズのエリック・オルソンが担当。音楽はロックバンドThe Rolling Stonesの楽曲をアレンジして使用するなど、サウンドトラックも大きな魅力のひとつです。また、主要撮影はハンガリーのブダペストで行われ、架空の「マリアビートル号」車内セットが細部まで再現されました。
ストーリーは、ある日の「マリアビートル号」に五人の殺し屋が乗り合わせるところから始まります。コードネーム「レディバグ」(ブラッド・ピット)は、上司からの指示で重要な鞄を回収する任務を受けます。だが列車内には同じく任務を帯びた「タンジェリン」「レモン」「ホワイトデスティニー」など、クセの強い殺し屋たちが次々と登場。さらに、謎のギャング集団に狙われる少女や、香港マフィアのボスが付き添わせた暗殺者など、思わぬトラブルが連鎖して列車内は大混乱に陥ります。レディバグは自身の失敗を取り戻すため奔走し、次第に彼らの隠された過去や動機が明らかになっていきます。緻密な会話とユーモアが織り交ぜられた脚本構成により、観る者は最後まで目が離せません。
キャストは超豪華な顔ぶれが揃っています。主人公のレディバグを演じるブラッド・ピットをはじめ、アーロン・テイラー=ジョンソン(タンジェリン)、ブライアン・タイリー・ヘンリー(レモン)、アナ・デ・アルマス(ホワイトデスティニー)、ザジー・ビーツ(パッション・オブ・マリアビートル)といった一流スターが名を連ねます。彼らが繰り広げるバトルシーンは、ハイテンポなカメラワークと華麗なアクション演出によってさらに引き立てられています。各キャラクターの個性や動機が細かく描かれるため、誰が味方で誰が敵なのか、観客は最後まで予測できません。
公開後、本作は北米で約2億ドル以上の興行収入を記録し、日本でもヒット作となりました。批評家からは「過激なアクション」「ブラックユーモア」「スタイリッシュな映像美」が高く評価され、一方で過剰とも言える暴力描写への賛否も分かれました。SNSではファンアートやコスプレが盛り上がり、サントラアルバムも好調な売り上げを記録。映画評論家の間では「デヴィッド・リーチ監督の集大成」「列車という限定空間を活かした傑作アクション」と称されるなど、近年のアクション映画のなかでも特に注目された一作です。
主な特徴(Features) 1. スタイリッシュなアクション演出:デヴィッド・リーチ監督による高速戦闘シーンとカメラワーク 2. ブラックユーモア:殺し屋同士の痛快なトークや皮肉の効いたセリフ回し 3. クローズド・サーキット形式:一つの高速列車を舞台にした限定的な空間 4. アンサンブルキャスト:豪華スター陣による個性際立つキャラクター群 5. ロールプレイ的コードネーム:レディバグ、タンジェリン、レモンなど象徴的なネーミング 6. サウンドトラック:The Rolling Stones楽曲をはじめとするロック調BGM 7. 原作小説とのリンク:伊坂幸太郎の風味を残しつつハリウッド流にアレンジ
参考文献・リンク 1. 映画『バレット・トレイン』公式サイト https://bullettrain-movie.jp/ 2. 映画.com『バレット・トレイン』作品情報 https://eiga.com/movie/97311/ 3. 映画ナタリー「ブラッド・ピット主演『バレット・トレイン』インタビュー」 https://natalie.mu/eiga/pp/bullettrain 4. 映画『バレット・トレイン』Wikipedia(日本語) https://ja.wikipedia.org/wiki/バレット・トレイン 5. IMDb ‘Bullet Train’ (2022) https://www.imdb.com/title/tt12593682/ 6. Cinematoday『バレット・トレイン』レビュー https://www.cinematoday.jp/movie/T0025180
