エヌビディア(NVIDIA)は、米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置く半導体・ソフトウェア企業であり、主にGPU(Graphics Processing Unit:グラフィックス処理装置)の設計・販売で世界をリードしています。1993年にジェン=スン・フアン(黄仁勲、Jen-Hsun Huang)、クリス・マラコウスキー(Chris Malachowsky)、カーティス・プライム(Curtis Priem)の3名によって創業され、以来、コンピュータグラフィックス、ゲーム、プロフェッショナルビジュアライゼーション、データセンターや人工知能(AI)分野に革新をもたらしてきました。

創業当初はPC向けのグラフィックスチップ市場に参入し、「NV1」や「RIVA」シリーズなどを発表。2000年代に入るとGPUの汎用演算(GPGPU)機能を強化し、2006年にCUDA(Compute Unified Device Architecture)を発表。これにより、従来CPUでしか実行できなかった高度な科学技術計算や機械学習タスクをGPUに任せることが可能となり、AI研究やスーパーコンピュータの高性能化に貢献しました。

2010年代からはディープラーニングの急速な台頭とともに、Volta(2017年)、Turing(2018年)、Ampere(2020年)、Ada Lovelace(2022年)といった最新GPUアーキテクチャを相次いで投入。Tensor Coreを用いた行列演算の専用ハードウェアや、リアルタイムレイトレーシング対応のRT Core、AI推論を加速するDLSS(Deep Learning Super Sampling)技術などはゲームグラフィックスのみならず、映画・映像制作、医療画像解析、ロボティクス、自動運転、金融モデリング、石油探索など多岐にわたる産業用途で採用されています。

また、データセンター向けプラットフォームとして「NVIDIA DGX」シリーズや「NVIDIA HGX」モジュールを提供し、クラウドプロバイダーや研究機関、製薬企業、大学などで大規模AIモデルのトレーニング基盤として広く使われています。さらに、3Dコラボレーションとリアルタイムシミュレーションを実現する「NVIDIA Omniverse」や、自動運転ソフトウェア開発キット「NVIDIA DRIVE」、エッジAI向けコンピュータ「Jetson」シリーズなど、ハードウェアだけに留まらないエコシステムを構築しています。

近年では、AIブラウザ「NVIDIA AI Enterprise」や音声・映像を生成する「NVIDIA GANverse3D」「NVIDIA NeMo」など、開発者やクリエイター向けのソフトウェアツールも強化。さらにARM買収の試みや、AI分野への巨額投資を背景に、エヌビディアは単なる半導体メーカーを超えて、AIプラットフォームの総合プロバイダーとしての地位を確立しつつあります。

エヌビディアはこれまでにグラフィックス市場で数多くの「GeForce」ブランドGPUを展開し、プロフェッショナル市場向けの「Quadro」(現在はRTX Aシリーズへ移行)、データセンター・HPC向け「Tesla」(現Aシリーズ)、組み込み向け「Jetson」、自動車向け「Tegra」「DRIVE」など、多彩な製品ラインを揃えています。さらにソフトウェア面ではCUDAツールキット、cuDNN、TensorRT、NCCL、PhysX、OptiXなど、開発者のニーズに応えるライブラリ群を提供し、エコシステム全体を支える役割を果たしています。

エヌビディアのミッションは「人類のコンピューティングを推進し、イノベーションを解き放つ」ことであり、今後もAI、メタバース、自動運転、ロボティクス、ヘルスケア、エンターテイメントなど、あらゆる分野で新たな可能性を切り拓くことが期待されています。

【主な特徴(5項目以上)】 1. GPUアーキテクチャの革新 – Volta/Turing/Ampere/Ada Lovelaceなど、ハイパフォーマンス・GPUを継続開発 2. CUDAプラットフォーム – CUDA SDKとAPIでGPGPU演算を簡便にプログラム可能 3. レイトレーシング&AI強化機能 – RT Coreによるリアルタイムレイトレーシング、Tensor Coreによる深層学習推論加速 4. データセンター向けソリューション – DGX/HGXシリーズ、NVLink、InfiniBand対応で大規模AIトレーニングを支援 5. 自動運転・組み込みAI – DRIVEプラットフォーム、JetsonエッジAIモジュールで車載・ロボティクスに応用 6. 3Dコラボレーションとメタバース – NVIDIA Omniverseによるシミュレーション&デザイン共有環境 7. ソフトウェアエコシステム – cuDNN、TensorRT、PhysX、OptiX、NCCLなど多彩なライブラリ提供

【参考文献・URL】 1. エヌビディア公式ウェブサイト(日本語) https://www.nvidia.com/ja-jp/ 2. ウィキペディア「NVIDIA」(日本語版) https://ja.wikipedia.org/wiki/NVIDIA 3. ASCII.jp「エヌビディアに関する記事まとめ」 https://ascii.jp/keyword/nvidia 4. TechCrunch Japan「NVIDIA関連ニュース」 https://jp.techcrunch.com/tag/nvidia/ 5. PC Watch「NVIDIA製GPUレビュー・最新動向」 https://pc.watch.impress.co.jp/tag/nvidia/ 6. ITmedia NEWS「NVIDIAに関する記事一覧」 https://www.itmedia.co.jp/news/subtop/security_nvidia.html

投稿者 wlbhiro

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