ATM（現金自動預け払い機）とは、銀行や信用金庫、郵便局などの金融機関が提供する無人のサービス端末で、現金の引き出し・預け入れや口座残高照会、振込・振替などを24時間・365日利用者自身で行うことができる機器です。ATMは「Automated Teller Machine」の略で、人手を介さずに銀行取引を自動化する装置として、1970年代以降世界中に普及してきました。日本でも1971年に東京銀行（現：三菱UFJ銀行）が世界初のオンライン型ATMを導入して以来、年々機能や設置台数が拡充され、現在では都市部はもちろん地方の商業施設、駅構内、コンビニエンスストア、役所の窓口近くなど多様な場所で見かけるようになりました。
ATMの主な利用機能には「現金の引き出し」「現金の預け入れ」「口座残高照会」「振込・振替」「通帳記帳」「各種料金払い込み（公共料金、クレジットカード利用代金など）」があります。近年はセキュリティ強化のため、ICキャッシュカードの暗証番号入力やワンタイムパスワード認証、支払限度額の設定、振込可能先の登録制限などの機能が追加されてきました。また、スマートフォンと連携してQRコードを読み取ることで、カードを使わずに取引できるATMも登場し、利便性がさらに向上しています。
日本国内のATMは大別すると“銀行系ATM”“コンビンエンスストア設置ATM”“共通化ATM（ATMネットワーク）”があります。銀行系は自行ATMと呼ばれ、手数料無料の時間帯が多い一方、出張所や店舗閉店後は利用時間が制限されることがあります。コンビニATMは24時間利用可能で、イーネット、ローソンATM、セブン銀行ATMなど複数のネットワークが存在し、提携する金融機関のキャッシュカードで各社ATMを相互利用できます。ネットワーク間の相互提携により、利用手数料や時間外手数料が発生する場合もあるため、利用者は事前に自分のカードがどのATMネットワークで使えるか、手数料がいくらかかるかを確認することが大切です。
さらに、近年では多言語対応（英語・中国語・韓国語など）の導入、バリアフリー対応（音声案内、点字キーパッド、高齢者向け大型画面等）、セキュリティカメラや盗撮防止シールドの設置など、高齢者や外国人、障がい者にも配慮した機能が充実してきました。加えて、キャッシュカード以外にデビットカードや電子マネー（交通系ICカードやQRコード決済連携）の入出金にも対応している機種が増えています。
ATMは手軽に銀行サービスを利用できる反面、スキミングや振り込め詐欺の被害につながるリスクもあるため、利用時は周囲に不審者がいないか確認し、暗証番号の入力は手で隠す、振込先情報をしっかり確認するなどの安全対策が欠かせません。また、システムメンテナンスや法定休日（年末年始など）には利用できない時間帯があります。金融機関やATM運営会社の最新情報を公式ウェブサイトで確認してから利用すると安心です。
以下にATMの主な特長をまとめます。
1. 24時間・365日利用可能（設置場所や金融機関によって利用時間帯が異なる場合あり） 2. 現金の引き出し・預け入れ、口座残高照会、振込・振替、通帳記帳、各種支払いなど多機能対応 3. ICキャッシュカード、磁気ストライプカード、スマートフォンQRコード決済、交通系ICカードなど多様な認証手段に対応 4. 多言語案内、音声・点字案内、大画面表示、盗撮防止シールドなどバリアフリー・セキュリティ対策を実装 5. 銀行系ATM、コンビニATM、ATMネットワーク提携などで相互利用が可能。利用手数料・時間外手数料に注意 6. スキミング防止、ワンタイムパスワード等による不正防止機能を搭載
参考文献・サイト： 1. 「ATM（現金自動預け払い機）」日本銀行 https://www.boj.or.jp/ （トップページ） 2. Wikipedia「現金自動預け払い機」https://ja.wikipedia.org/wiki/現金自動預け払い機 3. 三菱UFJ銀行「ATMのご利用案内」https://www.bk.mufg.jp/tsukau/atm/ 4. セブン銀行「ATMサービスのご案内」https://www.sevenbank.co.jp/atm/ 5. 金融庁「ATMに関する情報」https://www.fsa.go.jp/policy/financial_infrastructure/atm/index.html 6. イーネット「コンビニATMサービス」https://www.enetcom.co.jp/consumer/atm/ 7. 総務省「多言語対応ATMの普及状況」https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban06_02000020.html
