エリザベートとは、オーストリア皇后エリザベート(通称シシィ)の波乱に満ちた生涯を描いたドイツ語圏発のミュージカル作品です。1988年にウィーンで初演されて以来、ヨーロッパ各地をはじめ日本や韓国でも高い人気を博し、200を超える上演回数を記録しています。本作は実在の人物をモデルにしながらも、死を擬人化したキャラクター「トート(死神)」が登場する幻想的な演出や、ロックからバラードまで幅広い楽曲が織り交ぜられている点が大きな特徴です。

物語は1848年、ハンガリー公女として生まれたエリザベートがウィーン宮廷へ嫁ぎ、皇后としての窮屈な日々と抑圧に苦しむ姿から始まります。やがて内向的になりがちな彼女の前に、死神トートが現れ、エリザベートを非日常的な世界へ誘(いざな)います。トートはしばしばエリザベートの内面を映し出すナビゲーターとして機能し、彼女の孤独や自由への渇望をあぶり出します。皇太子ルドルフとの悲劇的な恋や、義母ゾフィーの支配的な母性、そして最終的にエリザベート自身が暗殺されるまでの経緯が、ドラマティックな音楽とともに描かれます。

初演後の反響は絶大で、1992年にはミュージカル王国・ドイツでの再演が実現し、ヨーロッパ各地の観客を魅了しました。日本では1996年に日本初演が行われ、越路吹雪、山口祐一郎などの名役者がエリザベート役を務めたほか、宝塚歌劇団でも度重なる上演が行われました。特に宝塚版は女性のみで構成されたキャストによる演出が特徴で、若い世代を中心に熱狂的な支持を集めています。

また、楽曲面では「私だけに」「闇が広がる」「愛と死の輪舞(ロンド)」などが代表曲として知られ、コンサート形式で上演されることもあります。作曲はシルヴェスター・リーヴァイ、作詞はミヒャエル・クンツェが担当し、重厚かつドラマティックなサウンドが評価されているのも大きな魅力です。

本作は実在の歴史人物を題材としながらも、自由と孤独、権力の重圧、愛と死といった普遍的なテーマを扱っているため、国境や時代を超えて共感を呼んでいます。今後も世界各地で新たな翻訳版やプロダクションが上演される予定であり、その人気は衰える気配を見せません。

特徴一覧 1. 主人公エリザベートと死神トートの幻想的な対話を通じて内面を表現するドラマ性 2. ロック調からバラードまで幅広い音楽ジャンルを融合した重厚な楽曲群 3. 実在の歴史的事件や人物をベースにしつつ、フィクション要素を大胆に盛り込んだ脚本 4. ヨーロッパ発、特にドイツ語圏での長期ロングランと高い評価 5. 日本では宝塚歌劇団版や帝国劇場版など複数のプロダクションで上演、多彩な演出 6. 「愛と死」「自由と孤独」「権力の重圧」といった普遍的テーマを扱う普遍性

参考文献・サイト 1. Wikipedia「エリザベート (ミュージカル)」 https://ja.wikipedia.org/wiki/エリザベート_(ミュージカル) 2. 宝塚歌劇団公式サイト「宙組 エリザベート」 https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2021/elizabeth/ 3. 東宝演劇公式サイト「ミュージカル エリザベート」 https://lineup.tohostage.com/elizabeth/ 4. ミュージカル・ベース「エリザベート」作品紹介 https://musicalbase.jp/works/elizabeth/ 5. Natalie(ナタリー)ニュース「ミュージカル『エリザベート』が再演決定」 https://natalie.mu/stage/news/xxxxxx 6. Oriconニュース「山口祐一郎主演『エリザベート』レビュー」 https://www.oricon.co.jp/news/xxxxxx/

投稿者 wlbhiro

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